研究課題/領域番号 |
19380010
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
飯嶋 盛雄 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (60252277)
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研究分担者 |
大門 弘幸 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (50236783)
泉 泰弘 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (90305558)
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キーワード | ダイズ / 多収性 / 心土破砕 / 深層施肥 / 根粒 / アセチレン還元能 / ウレイド態窒素 |
研究概要 |
本研究では、ダイズ栽培における深層施肥と成育期心土破砕技術を融和させることによって、飛躍的な収量改善効果をもつような新しいダイズ栽培技術としての中耕亀裂施肥を提案し、その多収性を科学的に検証することを目的とする。初年度の研究では,まず研究分担者、協力者とともに4年間の研究の方向性に関する研究討論を行った。次に鋤柄農機に依頼し中耕亀裂施肥機を作成した。フィールド試験では、亀裂の有無、深層に投下する根粒菌資材と施肥量とを検討した。その結果、亀裂を生じさせ深層に根粒菌を投入すれば、処理後3週間頃、すなわち開花終期においてアセチレン還元能やウレイド態N濃度が高まることを確かめた。すなわち、根粒活性が通常では低下する時期に、その活性を高めることに成功した。ただし、収量については、愛知県農業総合試験場では15%程度の増収効果を認めたが、滋賀県立大学農揚では収量増を認めなかった。この要因としては、亀裂施肥機の設計上の問題から、十分な亀裂を生じさせることができなかったこと、さらに処理後1カ月後の秋の長雨により十分な日照が得られないような気象条件であったことがあげられる。前者にっいては、ダイズ根系の切断が十分に行われなかったこと、後者については、ダイズの成育後半で日照不足による光合成産物の生産量が十分ではなかった可能性があり、そのため活発になった根粒活動がむしろ寄生的に働いた可能性が示唆できる。なお予定していたブラジルでの調査が先方理由のため直前に中止になったため、予算にゆとりができた。そこで次年度の試験にそなえ、改良型亀裂施肥機(2号機)を作成した。圃場試験とともに根箱によるモデル試験も実施し、初年度の活動状況を全員で議論し、今後の方向性を模索した。
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