集落営農での生産性向上のためには収量・品質の支配要因の変動に応じた栽培管理(Precision Crop Management ; PCM)が必要で、PCMのための管理戦略の開発が進められている。本研究では、品質・収量の向上と安定化が重要とされるコムギおよびダイズを対象に、集落営農における品質の圃場間・圃場内変動を是正するPCMのための管理戦略の設計と実証を行う。品質としてはタンパク含量(コムギ、ダイズ)および灰分(コムギ)を取り上げる。まず、集落営農において、コムギとダイズの品質の圃場間・圃場内変動を一次的に支配する生育特性や土壌特性を解明する。そして、この各特性が両作物の生長過程と収量を通して品質を規定する機構を解明し、PCMのための管理戦略を設計する。次に、管理戦略の実効性を、研究分担者が開発したGPSを搭載した可変量同時播種施肥機などを用いて検証する。
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