ダイズおよびソルガムは、世界中の多くの国々で利用されている穀類であるが、ミオイノシトールにリン酸が6個結合した有機態リン酸化合物のフィチン酸が多く含まれている。フィチン酸は人間、豚、鶏などの単胃動物においては消化・吸収できないために大量のリン酸が排泄され、環境汚染の一因となっている。さらに、フィチン酸にFe、Znなどの微量元素がキレート結合したフィチンは、Fe、Znの吸収を妨げる抗栄養成分として広く知られ、穀類を多く消費する国々ではフィチンによるFeやZnなどの微量元素の不足による栄養障害も発生している。そこで、フィチン酸に関わる多くの問題を解決するために、本研究課題では低フィチン穀類の開発を行う。
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