研究課題
基盤研究(B)
イネ科およびマメ科作物の子実の成熟および発芽過程について主に活性酸素およびラジカルスカベンジャーの機能に注目して調べた。吸水後のコムギおよびオオムギ種子のアリューロン細胞で生成されるH_2O_2は、抗酸化物質であるアスコルビン酸により消去されることを明らかにした。また、子実の登熟過程において、穂発芽抵抗性のコムギ"農林61号"は、ラジカルスカベンジャーであるアスコルビン酸による発芽抑制効果が登熟後期の開花28 日目から顕著となり、H_2O_2を消去するカタラーゼ活性が著しく高くなった。さらに、コムギのアスコルビン酸散布処理は、いずれの登熟ステージにおいても有効な穂発芽抑制物質となることが示された。デンプン種子だけでなく、油糧種子の成熟や発芽過程についても基礎的な知見を得た。ラッカセイでは、H_2O_2処理により90%以上の発芽率を示し、対照区に比べ著しく改善された。含水率は子葉および下胚軸ともに吸水に伴い漸増したが、下胚軸の増大は顕著だった。水の動態を示すT2は、下胚軸では吸水1日後から5日目まで漸増し自由水が出現した。乾燥子実へのH_2O_2処理により下胚軸および幼根においてエチレン生成が3倍となることが明らかになった。そこで、エチレン応答性遺伝子群の発現を正に制御する転写因子抗GmEin3 抗体によるイムノブロットを行った結果、H_2O_2処理によりラッカセイの下胚軸および幼根に明瞭な交差シグナルが早い時期から検出された。また、ダイズ種子の成熟過程の子実の成熟過程における含水率の変化とオートファジー関連遺伝子であるATG8ファミリーとの関係にも着目し、GmATG8i は含水率の低下に伴い開花28日目からその発現程度が低くなることも合わせて報告した。
すべて 2009 2008 2007 その他
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (15件) 備考 (1件)
Plant Sign. Behav. 3
ページ: 183-188
VuCIPK1, Plant Biotechnol 25
ページ: 437-445
日本作物学会紀事 77
ページ: 527-532
Cryobiol. Cryotechnol 54(2)
ページ: 129-134
ページ: 135-142
Plant Cell 20(12)
ページ: 3273-3288
Cryobiol. Cryotechnol. 53(2)
ページ: 87-93
ページ: 133-138
http://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K001701/index.html