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2008 年度 実績報告書

ACC合成酵素のリン酸化を介した翻訳後制御によるエチレン生合成調節機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19380018
研究機関名古屋大学

研究代表者

森 仁志  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20220014)

キーワードエチレン / 翻訳後制御 / リン酸化 / 代謝回転 / 脱リン酸化 / ACC合成酵素
研究概要

エチレンはガス状の植物ホルモンであり、高等植物の一生を通じて様々な成長段階で重要な働きをしている。とりわけ果実の成熟や野菜・花卉の老化など、園芸作物に与える影響は極めて大きく、エチレンの作用を人為的に制御することは、園芸分野において重要な課題である。我々はエチレン生合成経路の鍵となるACC合成酵素がリン酸化によって、その酵素の安定性が制御されていることを明らかにしてきた。今年度は、ACC合成酵素の脱リン酸化を担うprotein phosphatase(PPase)の同定を試みた。これまでに、PPaseの一つであるPP2Aに対する阻害剤処理によりACC合成酵素の半減期が著しく遅延することが示されている。そこで、シロイヌナズナ変異体のうち、PP2AのAサブユニットに変異を持つrcn1に着目した。解析の結果、rcn1ではACC合成酵素活性およびエチレン生成量が増加していることが確認された。PP2AはA,BおよびCサブユニットからなる三量体で、それぞれのサブユニットに複数のアイソザイムが存在し、それらの組み合わせにより複数のPP2Aアイソザイムが存在する。このうち、Bサブユニットが基質特異性を決定している。このことから、rcn1ではRCN1(Aサブユニット)を欠損するため、ACC合成酵素を認識するBサブユニットが機能していないことが予測された。そこで、PP2Aの特性を考慮に入れたaffinityカラムにより、野生型とrcn1から、それぞれ黄化芽ばえで発現しているPPase群をほぼ網羅的に精製することに成功した。質量分析によって両者のBサブユニット組成を比較した。その結果、野生型のみに見られるBサブユニットが2つ同定されており、これがACC合成酵素の認識に関わると推測された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Auxin-cytokinin interactions in the control of shoot branching.2009

    • 著者名/発表者名
      Shimizu-Sato, S.
    • 雑誌名

      Plant Mol. Biol. 69

      ページ: 429-435

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Molecular identity of uncoupling proteins in thermogenic skunk cabbage2008

    • 著者名/発表者名
      Ito-Inaba, Y.
    • 雑誌名

      Plant Cell Physiol. 49

      ページ: 1911-1916

    • 査読あり
  • [学会発表] エチレン生合成調節におけるプロテインホスファターゼ2Aの調節サブユニットRCN1の機能解析2009

    • 著者名/発表者名
      上吉原祐介
    • 学会等名
      第50回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2009-03-23

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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