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植物は、それぞれの病原菌を構成する因子を、病原菌に特有な分子パターン(PAMPs)として認識し、迅速な抵抗性を誘導する。近年、PAMPsを認識する植物の受容体が単離され、それらは受容体型キナーゼ(RLK)をコードしていることが明らかになっている。一方、低分子量Gタンパク質であるRac/Ropが、PAMPs誘導抵抗性において重要な役割を果たしていることが明らかになってきた。そこで、本研究課題では、RLKの下流で機能しているRac/Rop活性化因子であるGDP-GTP交換因子(GEF)の解析を通じて、PAMPs信号伝達系を解明することを目的としている。これまでに、Racに相互作用するPRONEドメインとDHドメインをGEFドメインとしてもつ2種類のGEFを同定した。本年度は、DH型GEFについて組換えタンパク質を調製し、GEF活性について生化学的な解析を行った。DH型GEFは、PHドメインを保有しているため、DHとPHの各ドメインあるいは両方のドメインをもつタンパク質を調製し、GEF活性を測定した。その結果、in vitroではDHドメインのみでGEF活性を示し、PHドメインはGEF活性に顕著な影響を与えないことがわかった。したがって、PHドメインは、GEF活性ではなく、細胞内におけるタンパク質の局在に影響している可能性が考えられる。
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