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2008 年度 実績報告書

低分子量GTP結合タンパク質のトバモウイルスRNA複製における機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19380030
研究機関独立行政法人農業生物資源研究所

研究代表者

石川 雅之  独立行政法人農業生物資源研究所, 植物・微生物間相互作用研究ユニット, 上級研究員 (70192482)

キーワードウイルス / 植物 / RNA / 複製 / 宿主因子
研究概要

arl変異株(3個のホモログ遺伝子がT-DNA挿入により破壊され、ToMVの増殖は完全に抑制される)においては、恐らくRNAサイレンシングにより野生型ARL mRNAが蓄積できないことが前年度明らかになった。RNAサイレンシシグを回避するために、ARL遺伝子に同義置換を導入したところ、ARLタンパク質が発現し、ToMVの増殖抑制が解除された。ARLはGTP結合型あるいはGDP結合型で存在するが、そのどちらがToMVの増殖に関与するかを明らかにするために、arl変異株でT33N(恒常的GDP結合型)あるいはQ74L(恒常的GTP結合型)変異ARLを発現させとところ、いずれにおいてもToMVの増殖が起きたが、T33N発現株でのToMV増殖のレベルは低かった。このことと前年度の試験管内複製系での結果と合わせて、ToMV RNAの複製には、主としてGTP結合型ARLが機能していると推測された。また、ARLが細胞内で他のタンパク質分子と結合し、それらがまたToMV RNAの複製に寄与する可能性を考え、ARLと相互作用する宿主タンパク質を探索した。アフィニティー精製用のタグを付したARLを発現させた細胞からARLを精製し、共精製されたタンパグ質をLC-MS/MS法により解析したところ、液胞型H^+-ATPase(V-ATPase)のいくつかのサブユニットおよびARLと相互作用するとされているGolginが同定された。これらの遺伝子のToMV複製への関与を検討するため、シロイヌナズナのノックアウト株を入手した。V-ATPaseサブユニットのいくつかについては遺伝子を破壊すると致死となり、ウイルス増殖への関与は調べられなかった。Golgin変異株ではToMVは野生株と同様に増殖し、このタンパク質はToMV複製に関与しないと考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 内在性遺伝子の発現抑制によるウイルス抵抗性植物の作出2009

    • 著者名/発表者名
      石川雅之
    • 雑誌名

      農業技術 64(4)

      ページ: 145-148

  • [雑誌論文] Analysis of tobamovirus multiplication in Arabidopsis thaliana mutants defective in TOM2A homologues2008

    • 著者名/発表者名
      Fujisaki, K., Kobayashi, S., Tsujimoto, Y., Naito, S., Ishikawa, M.
    • 雑誌名

      Journal of General Virology 89(6)

      ページ: 1519-1524

    • 査読あり
  • [学会発表] トバモウイルスRNA複製に関与する因子間の相互作用解析2009

    • 著者名/発表者名
      錦織雅樹, 泰中智史, 土肥浩二, 森正之, 岡村英保, 加藤悦子, 飯哲夫, 石川雅之
    • 学会等名
      平成21年度日本植物病理学会大会
    • 発表場所
      山形大学
    • 年月日
      20090326-20090328
  • [学会発表] タバコADP-ribosylation factor-like protein ARLA1dのNMR解析2008

    • 著者名/発表者名
      岡村英保, 錦織雅樹, 石川雅之, 加藤悦子
    • 学会等名
      NMR討論会
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      20081112-20081114

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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