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2010 年度 実績報告書

昆虫のホルモン応答及び変態に関与するシスエレメント、トランス因子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19380033
研究機関宇都宮大学

研究代表者

川崎 秀樹  宇都宮大学, 農学部, 教授 (00134263)

研究分担者 岩永 将司  宇都宮大学, 農学部, 准教授 (40400717)
キーワードカイコ / 翅原基 / クチクラ蛋白質遺伝子 / 遺伝子銃 / FTZ-F1 / BR-C / エクダイソン / EcRE
研究概要

平成22年度はクチクラタンパク質遺伝子及び転写因子の組織発現特異性を調べ、皮膚の真皮細胞での発現には転写因子で発現特異性があることを明らかにした.βFTZ-F1は胸部で発現するが腹部では発現せず、それに対してE74Aは胸部では発現しないものの腹部で発現することが明らかとなり、それに伴い胸部でBMWCP9が発現し、腹部でBMWCP4が発現することが明らかになった.また、頭部ではBR-CZ2が発現を決定することも明らかになった.これに伴い、頭部で発現するクチクラタンパク質遺伝子が限られることを説明することができた.これらの結果から、組織の特異性もエクダイソンシグナリングが制御し、それによって最終的にどのようなクチクラタンパク質遺伝子が発現するかが決定されることが明らかとなった.クチクラタンパク質以外にも、ドーパデカルボキシラーゼ遺伝子が上流に存在するβFTZ-F1結合部位にβFTZ-F1が結合することにより蛹化時にドーパデカルボキシラーゼ遺伝子の発現誘導が行われることを証明できた.さらに、初期応答性の初期遺伝子であるE74Bについて、遺伝子上流に存在する5種のEcREの同定及びこれらによるプロモーター活性化によりE74Bの上流に存在する複数のEcREにより低濃度のエクダイソンで当該遺伝子が誘導されることが明らかとなった.これらの結果は、エクダイソンのシグナルカスケードを明らかにする上で貢献を果たした.また、エクダイソン応答性の転写因子が実際に発現する遺伝子の上流部に結合し、プロモーター活性を高めることを明らかにした事で、このような研究に実験方法として新たな活路を切り開くことが出来た.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2011 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Ecdysone directly and indirectly regulates a cuticle protein gene, BMWCP10, in the wing disc of Bombyx mori.2010

    • 著者名/発表者名
      Wang, Moriyama, Iwanaga, Kawasaki.
    • 雑誌名

      Insect Biochem.Mol.Biol.

      巻: 40 ページ: 453-459

    • 査読あり
  • [雑誌論文] カイコゲノム情報から導かれる遺伝子発現制御研究の始まり2009

    • 著者名/発表者名
      川崎秀樹
    • 雑誌名

      蚕糸・昆虫バイオテック

      巻: 78 ページ: 121-124

  • [学会発表] 20-hydroxyecdysone and juvenile hormone analogue prevent precocious metamorphosis in recessive trimolter mutants of Bombyx mori via Kruppel-homolog 1 and Broad2011

    • 著者名/発表者名
      Hua-Bing Wang, M Moriyama, M Iwanaga, Hi Kawasaki
    • 学会等名
      日本蚕糸学会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      20110320-20110321
  • [学会発表] 低濃度のエクダイソンに反応する初期応答遺伝子E74Bの解析2011

    • 著者名/発表者名
      王華兵・森山実・岩永将司・川崎秀樹
    • 学会等名
      日本蚕糸学会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      20110300
  • [学会発表] カイコ終齢幼虫期の翅原基における細胞周期の内分泌制御機構の解明2011

    • 著者名/発表者名
      森山実、大吉寿和、長内幸司、王華兵、岩永将司、川崎秀樹
    • 学会等名
      日本蚕糸学会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      20110300
  • [学会発表] カイコ終齢幼虫における翅原基の細胞周期を制御する機構の解析2010

    • 著者名/発表者名
      森山、大吉、長内、王、岩永、川崎
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20101207-20101210
  • [学会発表] Analysis of the ecdysone responsive gene E74B induced by the low concentration of ecdysone2010

    • 著者名/発表者名
      王華兵・森山実・岩永将司・川崎秀樹
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20101207-20101210
  • [学会発表] Analysis of regulation of the expression of cuticle protein genes expressed in wing discs of Bombyx mori.2010

    • 著者名/発表者名
      Wang NB, Nita M, Moriyama M, Iwanaga M, Kawasaki H.
    • 学会等名
      2010 Ecdysone Workshop
    • 発表場所
      チェコ
    • 年月日
      20100719-20100723

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公開日: 2012-07-19  

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