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2008 年度 実績報告書

翅形成マスター遺伝子を用いた翅獲得メカニズムの解明とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 19380035
研究機関名古屋大学

研究代表者

新美 輝幸  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教 (00293712)

研究分担者 柳沼 利信  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (60135332)
キーワード翅形成マスター遺伝子 / 翅起源
研究概要

地球上で昆虫が繁栄してきた要因の一つとして、翅の獲得が挙げられる。昆虫翅の進化的な由来については古くから議論され、いくつかの仮説が提唱されているものの、未だに決定的な証拠は示されていない。この昆虫翅の起源の問題にアプローチするために有翅昆虫に最も近縁な無翅昆虫であるシミ目に属するマダラシミ(Thermobia domestica)に着目した。昆虫の翅形成については、主にショウジョウバエにおける研究から、vestigial(vg)およびscalloped (sd)の両遺伝子が必須の機能を有することが明らかとなっている。そこで本研究では、マダラシミからクローニングしたvgおよびsdについて、RT-PCR法により各体節における発現解析を行った。その結果、マダラシミのvgは胸部全体節で高い発現を有していることが明らかとなった。興味深いことに、有翅昆虫において通常翅の存在しない前胸でもマダラシミにおいては他の胸部体節と同程度の発現が認められた。マダラシミの胸部各体節には側背板と呼ばれる背板側方部の突出構造が存在しており、この構造から翅が派生したとされる仮説が提唱されている。今回の結果から、vgが側背板のような突出構造の形成に関与している可能性が示唆された。
また、飛べないテントウムシの作出法を開発する過程で、これまで明らかにされていなかったsdの新規機能を発見した。さらに、このsdの新規機能はチャイロコメノゴミムシダマシ(Tenebrio molitor)においても保存されていることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] マダラシミにおけるvestigialおよびscallopedの発現解析2009

    • 著者名/発表者名
      大出高弘, 増本三香, 三輪雅代, 大場裕一, 柳沼利信, 新美輝幸
    • 学会等名
      平成21年度蚕糸・昆虫機能学術講演会-日本蚕糸学会第79回大会-
    • 発表場所
      東京農工大学農学部
    • 年月日
      2009-03-22
  • [学会発表] ニジュウヤホシテントウscallopedの機能および発現解析2008

    • 著者名/発表者名
      大出高弘, 増本三香, 三輪雅代, 松浦宏典, 柳沼利信, 新美輝幸
    • 学会等名
      日本蚕糸学会中部支部第64回・東海支部大会第60回
    • 発表場所
      信州大学繊維学部
    • 年月日
      2008-11-27
  • [学会発表] RNAi法を用いた新規生物農薬の開発2008

    • 著者名/発表者名
      新美輝幸
    • 学会等名
      アグリビジネス創出フェア2008
    • 発表場所
      東京国際フォーラム展示ホール
    • 年月日
      2008-10-29
  • [学会発表] 昆虫翅の起源麹の起源の解明をめざして-マダラシミにおけるembryonic RNAi法の確立-2008

    • 著者名/発表者名
      大出高弘, 増本三香, 柳沼利信, 新美輝幸
    • 学会等名
      第44回日本節足動物発生学会
    • 発表場所
      信州大学理学部
    • 年月日
      2008-05-22

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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