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2008 年度 実績報告書

ホウ素過剰耐性イネの分子育種

研究課題

研究課題/領域番号 19380043
研究機関京都大学

研究代表者

間藤 徹  京都大学, 農学研究科, 教授 (50157393)

キーワード植物 / 育種学 / 土壌学 / 水資源
研究概要

ホウ素は高等植物の必須元素である。しかしながら、作物の生育に適した根圏ホウ素濃度の範囲は狭く、ホウ素過剰による作物の生育障害も発生する。特に乾燥気候下の土壌では局所的に高濃度となり、作物にホウ素過剰障害を与える。本研究はホウ素過剰に比較的感受性が高い作物であるイネのホウ素過剰耐性を増強することを目的とした。まず約100系統のイネを供試してホウ素過剰耐性を検定し、ホウ素過剰に耐性の品種としたところ、日本晴やコシヒカリなどの日本稲はホウ素過剰に耐性があり、IR系統のインド稲は感受性であった。さらに、コシヒカリをホウ素を高濃度に含む灌漑水(30 ppm B)で栽培したところ、特に栄養生長期での分ゲツが阻害され、これがホウ素過剰による収量低下に大きく寄与することを見いだした。次いでホウ素過剰に耐性のある熱研1号と感受性のIR36から作成されたrecombinant inbred line (RIL) 98系統を用いて,ホウ素過剰耐性についてのQTL解析を行ったところ、両品種でのホウ素過剰耐性の違いの45%を説明する遺伝子が4番染色体に座乗することを見いだした。RILの中から、推定された領域がヘテロな系統を選び出し、それらの自殖後代を用いて遺伝子型とホウ素過剰耐性の関連を検討し、ホウ素過剰耐性遺伝子BET1 (Boron Excess Tolerant 1)が4番染色体の49kbpの領域に存在すると結論した。この領域に熱研1号由来の遺伝子を持つIR36はホウ素過剰害に対してIR36より有意に高い耐性を持っていた。この領域には8つの遺伝子の存在が予測されている。今後、さらに絞り込みを続けてホウ素過剰耐性遺伝子を同定したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Boron toxicity in rice (Oryza sativaL. )I. Quantitative trait locus(QTL)analysis of tolerance to boron toxicity2008

    • 著者名/発表者名
      K. Ochiai, S. Uemura, A. Shimizu, Y. Okumoto, T. Matoh
    • 雑誌名

      Theor Appl Genet 117

      ページ: 125-133

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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