研究課題/領域番号 |
19380062
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研究機関 | 石川県立大学 |
研究代表者 |
熊谷 英彦 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (70027192)
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研究分担者 |
片山 高嶺 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (70346104)
谷口 肇 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (60011946)
本多 裕司 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (40399382)
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キーワード | グライコシンターゼ / 糖質加水分解酵素 / オリゴ糖合成 / アノマー反転型酵素 |
研究概要 |
糖質加水分解酵素(GH:Glycoside Hydrolase)は、その反応機構の違いから「アノマー保持型」と「アノマー反転型」の2種に大別される。このうち、糖転移反応を触媒するのは「アノマー保持型酵素」に限られるため、オリゴ糖合成に利用できる酵素は限られていた。また、本質的に加水分解酵素であるために、糖転移産物そのものが良い基質となり、その反応効率は一般的に極めて低い。近年、「アノマー保持型酵素」の求核基にアミノ酸置換を導入し、基質としてフッ化糖を使用することで、糖合成酵素へと変換できることが見いだされた。変異型酵素では加水分解反応が起こりにくいために、合成されたオリゴ糖は反応液中に蓄積する。本手法は、グライコシンターゼ化と呼ばれ、オリゴ糖合成の新たなツールとなっている。最近、我々はグライコシンターゼ化が「アノマー反転型酵素」にも応用可能であることを、還元末端オリゴキシラナーゼを使用して初めて報告した。 そこで、本課題においては「グライコシンターゼ化」が、(1)他のアノマー反転型酵素にも摘要可能かどうか、また、(2)効率的なグラインターゼ化を図る上で、どの触媒残基を改変するのが最も有効であるか、について検討した。対象とした酵素は、1,2-α-L-フコシダーゼ、還元末端オリゴキシラナーゼ、β-キシロシダーゼである。その結果、いずれの酵素も、触媒残基のうち、一般塩基触媒を改変することでグライコシンターゼ化が可能であることが明らかとなった。また、1,2-α-レフコシダーゼおよび還元末端オリゴキシラナーゼについては、一般塩基触媒そのものではなく、その残基と隣接して相互作用している残基を改変した場合に、合成能が上昇することが示唆された。
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