研究課題
本研究では、これまでの知見を踏まえ、endo-PG1を中心にendo型グリコシダーゼの反応機構の詳細、特に反応部位の反応中間体におけるグリコシド結合、ピラノース部分の立体配座の変化、エネルギー変化を中心に検討した。報告者が先に報告した硫黄置糖鎖アナログの場合、酵素との複合体での基質配座ではなく、遊離状態における安定配座のミミックを目指しており、ソーキング実験でグリコシダーゼ-糖鎖反応中間体を再現するに至らなかったものと推定できる。アカルボースに倣い、シクロヘキセン構造を糖鎖の中央に導入したオリゴ糖の合成を行い、それを評価した。【研究の方法】セルラーゼを標的としたセルロース誘導体として、基質アナログ、および推定遷移状態アナログの合成を行い、これらの酵素との反応について検討した。同様にendo型ポリガラクツロナーゼを標的とした、推定反応遷移状態基質アナログの合成を行った。一方、糖鎖-酵素複合体を考察する目的として、動力学的計算法(COSMOS90)の最適化を行わた。さらに、エンド型ポリガラクツロナーゼのシグナルペプチドと思われる配列の役割を検討した。【研究成果】合成したアナログ天然型三量体はNOE測定比較により硫黄置換アナログは天然基質を類似した安定配座を取っていることを明らかにした。カロリメトリー実験では酵素との複合体形成を観測できなかつた。しかし遷移状態アナログはエンドグルカナーゼVと複合体形成をすることを明らかにした。しかしその結合は酵素反応を説明するには弱いものであり、反応部位から離れたサブサイトの重要性が明らかになった。
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