研究概要 |
標的タンパク質(標的分子)候補の迅速かつ高感度に選択的に同定すること,その結果を利用して遺伝子欠損変異体の薬剤感受性によって医薬結合タンパク質および受容体を決定・評価することを目的として研究した。 医薬品化合物の標的タンパク質(標的分子)を同定するため,化学合成DNA36merによる10^7のライブラリを再設計して作製することで非特異結合を大幅に低減させるとともに,QCM(水晶発振子マイクロバランス)による標的クローンの選抜ファージディスプレイ法の改良法を開発した。得られた結合アミノ酸配列をバイオインフォマティクスサーバーRELICで統計的な処理を加えた。その結果,ここで得られたアミノ酸配列は,すでに結晶解析により結合部位と証明された配列に高い頻度で一子した。したがって,この方法により医薬品化合物標的タンパク質およびその結語部位を決定することができる可能性を示唆した。 結合タンパク質の遺伝子の欠損および高発現の酵母遺伝子変異核を使い,医薬に対する感受性の変化を調べた。いずれの株においても,欠損=高感受性あるいは高発現=低感受性,のような単純な結果は得られなかった。これについては,次年度以降より多くの事例(医薬化合物)を使用して検討することとした。
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