研究課題
本研究は、遺伝子変異キイロショウジョウバエを用いた新規薬剤感受性評価法の確立と、それを用いたCPTの新規生体内作用標的タンパク質の同定を目的とした。水晶発振子マイクロバランス(QCM)装置を用いたT7ファージディスプレイ法を用いて、CPT-20-B結合ペプチド(NSASRGGSQRGRGEH)が同定されている。このペプチド配列は、ヒトHshnRNP A1とキイロショウジョウバエDmHrb87Fのそれぞれの配列と相同性を示した。HeLa細胞可溶画分を用いたビーズプルダウン試験から、CPTとHshnRNP A1が結合した。HshnPNP A1-GST組み換えタンパク質を作製し、QCM相互作用解析を行い、CPTがHshnRNP A1と解離定数82.7nMで結合した。遺伝子欠損キイロショウジョウバエによる薬剤感受性試験の結果、2つのDmHrb87F遺伝子変異体であるHrb87FKG02089とHrb87FBG02743は、野生株と比較してCPTに対して高い感受性を示した。Topo Iは、プラスミドDNAのスーパーコイルを解消する働きがある。このトポロジー変化をCPTそしてHshnRNP A1存在下で観察した。CPTは、報告される様にtopo I活性を阻害した。また、hnRNP A1も同様にtopo I活性を阻害した。さらに、HshnRNP A1は、CPT共存在下でtopo I活性阻害を増進した。以上の結果から、HshnRNP A1またはDmHrb87FはCPTと結合し、topo I活性を調節している可能性が示唆された。
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