脳内老化制御機構の解明を目的に、神経細胞を用いた細胞レベルだけではなく、種々の脳内老化疾患モデル動物や細胞系を用いて脳内老化制御機構の解析を行うと共に、「抗体チップ」の応用も含めた免疫化学的な手法を中心に機能性評価の確立を行った。まず、最初に、パーキンソン病と酸化ストレスの関連性を明らかにするために、α-シヌクレインに対する酸化傷害バイオマーカーの検索を進め、アラキドン酸(ARA)の脂質過酸化物由来のアクロレイン修飾が重要な役割を果たしていることを明らかにした。さらに、クルクミンをけじめとするポリフェノール、特に、生体内代謝物であるテトラヒドロクルクミンに対して、腸管での消化・吸収や肝臓での薬物代謝系などの段階での変換機構の解明を進め、テトラヒドロクルクミンに強力な寿命延長作用があることを明らかにした。そのメカニズム解析の結果、新たにFOXO遺伝子を介した新しい作用機構を提示し、動物実験に遅れが生じたので、一部、研究費の平成20年度への繰越が認められ、動物実験の一部は平成20年度に行われた。
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