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2009 年度 実績報告書

樹幹の漏脂現象の機構解明を目的とした病理学的、生理学的、分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19380088
研究機関鳥取大学

研究代表者

山本 福壽  鳥取大学, 農学部, 教授 (60112322)

キーワードヒノキ / ヒノキアスナロ / エチレン / ジャスモン酸 / サリチル酸 / 漏脂病 / Cistella japorica / Aqularia crassna
研究概要

本研究では、樹皮に傷害樹脂道が形成されるヒノキアスナロと、木部に傷害樹脂道が形成されるメタセコイアの苗木を用いて、傷害刺激の伝達物質であるエチレン、ジャスモン酸、およびサリチル酸の傷害樹脂道形成における役割を比較検討した。
材料と方法:試験には2年生のヒノキアスナロ(マアテ)苗木とメタセコイア苗木を用いた。苗木は傷害区と無傷区に分けた。傷害区は地際から10cmの高さに5×5mm剥皮し、薬剤ペーストを処理した。無傷区は、傷をつけず直接ペーストを樹皮に塗布した。処理はエチレンの発生剤であるエスレル(Et)、ジャスモン酸メチル(JA-Me)、サリチル酸ナトリウム(SA-Na)を用い、ラノリンペーストとして処理した。各濃度の組み合わせはCont. (Lanolin)、Et1%、JA-Me1%、SA-Na1%、Et1%+SA-Na1%、およびEt1%+JA-Me1%+SA-Na1%である。薬剤処理は2009年8月2日、処理部位の採取は2ヶ月後の2009年10月2日に行った。採取後、サンプルは滑走式ミクロトームを用いて、木口面の切片を作成した。傷害区は、傷口の端から上下に3mm離れた部位で切片を作成し、無傷区は、塗布部の中央から上下に3mm離れた部位で切片を作成した。作成したプレパラートから樹脂道個数と樹脂道面積を光学顕微鏡およびOLYMPUSDP2-BSWアプリケーションソフトウェアを用いて測定した。
結果と考察:ヒノキアスナロ樹皮に形成される傷害樹脂道は、傷害部にジャスモン酸を処理することによって顕著に促進されたが、無傷の場合には促進的ではなかった。これに対してメタセコイア木部内の傷害樹脂道形成は、傷害の有無に関わらず、エスレルおよびジャスモン酸によって顕著に促進された。
さらにタイ王国においてAquilaria crassnaを用いて樹幹内の沈香成分沈着に関する刺激伝達物質の役割についても検討した。この成果は現在、特許出願準備中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Roles of ethylene, jasmonic acid, salicylic acid, and Raffaelea quercivora inoculation in wound-induced sapwood discoloration of Quercus serrata2010

    • 著者名/発表者名
      Moungsrimuangdee Boontida, et al.
    • 雑誌名

      IAWA journal (In press)

    • 査読あり
  • [学会発表] エチレン等刺激伝逹物質処理がヒノキアスナロおよびメタセコイア苗木の傷害樹脂道形成に及ぼす影響2010

    • 著者名/発表者名
      Moungsrimuangdee B., et al.
    • 学会等名
      第121回日本森林学会大会
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      2010-04-03

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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