研究課題/領域番号 |
19380093
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研究機関 | 独立行政法人森林総合研究所 |
研究代表者 |
津村 義彦 独立行政法人森林総合研究所, 森林遺伝研究領域, 室長 (20353774)
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研究分担者 |
黒丸 亮 独立行政法人森林総合研究所, 北海道林業試験場・道北支場, 場長 (00414251)
戸丸 信弘 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (50241774)
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キーワード | カラマツ雑種 / DNA識別 / オルガネラDNA / 北海道 / 精英樹 / 起原推定 |
研究概要 |
カラマツとグイマツの雑種識別のために、ヨーロッパカラマツで報告されている葉緑体DNA及びミトコンドリアDNAのマーカーの応用を試みた(Achere, et. al.2004)。また種識別の正確さを確認するために北海道選抜のグイマツ精英樹97クローン、カラマツ精英樹40クローンを材料として用いた。また種内の遺伝的な多型性を調査するために全国の天然分布をカバーしているカラマツ天然林由来の70個体のDNAサンプルも同時に使用した。その結果、既報のマーカーがカラマツとグイマツの識別に有効であることが明らかとなった。葉緑体、ミトコンドリアDNAのPCR-RFLP法を用いて解析した結果、カラマツ精英樹及び天然性由来の全個体がカラマツ型のDNAパターンを示し、グイマツ精英樹は2クローンを除いてグイマツ型のパターンを示した。グイマツ2クローンはDNAパターンが雑種型を示したが、これらは選抜の際の人為的な植栽ミスで生じた可能性が高いと判断された。その結果、今回使用したカラマツとグイマツ雑種識別マーカーは、雑種識別に有効で確実に雑種が識別できることが明らかとなった。またこの葉緑体DNAの識別マーカーを用いて、カラマツ及びグイマツ雑種採種園で収集した種子の雑種率を調査した。その結果、一般雑種採種園では個体によって雑種率が異なり、グイマツ母樹では7.5%〜58.3%で平均が15.9%でカラマツ母樹では22.9%〜95.8%で平均が56.5%であった。
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