研究分担者 |
山本 浩之 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (50210555)
林 和男 愛媛大学, 農学部, 教授 (80111839)
横地 秀行 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (60124723)
藤本 高明 名古屋大学, 北海道立林産試験場, 研究員 (40446331)
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研究概要 |
本研究は、製材工場等の木材1次加工現場および木質系廃材処理工場において、木質材料の強度・含有水分状況・節および樹脂フィルムの有無・化学物質の種類の非破壊診断を、近赤外分光方式に基づく2つの測定系(時間飛行タイプならびに広域非接触型フーリエ変換タイプ)をハイブリッド化したシステムによってオンラインレベルで実施するものである。本年度は,まず非接触型の分光光度計により,静止状態の木材の力学的性質を推定した。 供試材料は,実大寸法の材を想定し,集成材用ラミナとした。分析の結果,木材強度実測値と近赤外推定値との相関関係は比較的高く(R^2=0.49-0.73),回帰の精度も良好であった。さらに,得られた検量線モデルを,検量線評価用セット(未知試料)を用いて評価した場合においても,ほぼ同様の結果が得られた。これらの結果から,FT方式による表面分析によっても,比較的高い精度で実大寸法の材の力学的性質を評価できると考えられる。 現在,品質管理・検査の対象となる性質は,目視あるいは専用の機器などで分析評価されている。近赤外分光法は,木材の物理的・化学的性質などの多形質を短時間で推定できることから,本法をオンラインシステムとして現場に導入することにより、作業効率が大幅に向上すると期待される。
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