研究課題/領域番号 |
19380100
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
渡邊 隆司 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (80201200)
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研究分担者 |
本田 与一 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (70252517)
渡邊 崇人 京都大学, 生存圏研究所, 助教 (30362403)
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キーワード | バイオサーファクタント / 白色腐朽菌 / リグニン / 代謝物 / バイオマス / 脂質過酸化 |
研究概要 |
本研究は、白色腐朽菌が産生する水と疎水性分子の界面を活性化する鍵代謝物を同定して、その疎水性代謝物可溶化機構やリグニン分解の促進機能、生合成系を明らかにすることによって、白色腐朽菌によるリグニン分解能強化のための新しい分子基盤を構築することを目的とする。これまでに、セルロースを残してリグニンを高選択的に分解する木材腐朽性担子菌Ceriporiopsis subvermisporaの生産する両親媒性代謝物の構造解析と機能解析を行い、本菌が新規なバイオサーファクタントを産生することを明らかにした。平成20年度は、木材中のリグニンを分解する条件下でバイオサーファクタントを産生する培養系を検討し、リグニン分解を伴いながらバイオサーファクタントが産生される新規な培地を見出した。この培地を用いてバイオサーファクタントやその他の代謝物の産生と木材腐朽(リグニン、セルロース、ヘミセルロースの分解)の関係を詳細に分析した。また、LCMSやNMRを用いてバイオサーファクタントの構造解析を行い、その部分構造を明らかにした。さらに、単量体、2量体、3量体構造をとるバイオサーファクタント以外の新規バイオサーファクタントが産生されることを明らかにした。また、これらの代謝物の疎水性物質の可溶化能を分析し、合成の界面活性剤と匹敵する高い界面活性作用をもつことを明らかにした。また、本菌が産生するバイオサーファクタントの中でセレブロシド1種の疎水性部位の構造を明らかにした。また、13C-グルコースを用いて木材腐朽性担子菌Ceriporiopsis subvermisporaを培養し、脂質関連代謝物の13Cの取り込みをLC-IT-TOFなどで解析し、それらの生合成経路について考察した。
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