研究課題/領域番号 |
19380101
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小松 幸平 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (20283674)
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研究分担者 |
瀧野 真二郎 京都大学, 生存圏研究所, 助教 (90115874)
森 拓郎 京都大学, 生存圏研究所, 助教 (00335225)
野口 昌宏 工学院大学, 工学部, ポスドクフェロー (80420298)
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キーワード | スギ心材 / 耐蟻性 / 高温乾燥 / 横圧縮強度 / 低温乾燥 / スギ厚板 / あらわし床 / すべり防止金物 |
研究概要 |
1)スギ心材の長所の再確認 乾燥温度の違いがスギ材の耐蟻性及び横圧縮強度に与える影響を検討するため、原木心材から30mm角の立方体を採取し、120℃で高温乾燥したグループと、40℃で低温乾燥したグループについてJIS K l571に従ってシロアリの強制食害試験を行った。その後、全面横圧縮試験を行い、横圧縮降伏応力および横圧縮ヤング率を求めた。結果として、高温乾燥材の方が比横圧縮ヤング率は低温乾燥材のそれの74%に低下したが、比降伏耐力の低下は90%であった。 2)スギ厚板を活用した床、壁、屋根構面の開発 厚さ40mmx幅240mmの厚板に実(さね)加工を施し、凹面側に別途開発した「面内剛性金物」を挿入して厚板同士の相互すべりを阻止した素材面構造を床、壁として使用した場合の床倍率、壁倍率を評価した。床の場合、「面内剛性金物」を910mmピッチで2個入れることで、床倍率1.64が得られ、スギ厚板による「あらわし床」の性能が従来の仕様に比べ、大幅に向上する見通しが立った。縦板張り耐力壁の場合は、真壁仕様として柱の間に厚板を納めた仕様では、材料の接触効果が効いて床の場合よりもより効果的な性能向上が得られ、壁倍率は2.41であった。この結果は予想以上のもので、新開発の「面内剛性金物」を活用することで、スギ厚板による高耐力・高靱性でかつ審美性にすぐれた「あらわし床」や「あらわし壁」が実現できることが分かった。
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