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2009 年度 実績報告書

成熟促進技術開発のための魚類の初期卵成長機構解析

研究課題

研究課題/領域番号 19380107
研究機関北海道大学

研究代表者

足立 伸次  北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 教授 (40231930)

研究分担者 井尻 成保  北海道大学, 大学院・水産科学研究院, 准教授 (90425421)
キーワードニホンウナギ / チョウザメ / イトウ / エストロゲン / アンドロゲン / 濾胞刺激ホルモン / 黄体形成ホルモン / 初期卵成長
研究概要

本年度は、ウナギ、イトウおよびチョウザメを用いて、エストロゲン(エストラジオール-17β;E2)およびアンドロゲン(17α-メチルテストステロン;MT)処理が初期卵成長に及ぼす影響を昨年に引き続き調べた。その結果、ウナギでは、E2処理は約100μmまでの卵母細胞の成長を促進することが示唆された。イトウ2年魚(性分化後)を用いて、E2およびMTを12ヶ月間経口投与した結果、E2およびMT処理による卵成長促進効果は認められなかったが、脳下垂体の濾胞刺激ホルモン(FSH)および黄体形成ホルモン(LH)の発現が促進された。特に、E2によるLH発現誘導は顕著であった。また、ベステルチョウザメ2ヶ月魚(性分化前)を用いて、E2およびMTを18ヶ月間経口投与した後、さらに通常餌で12ヶ月間飼育を継続した。しかし、E2およびMT処理では卵成長促進効果は認められなかった。
次に、チョウザメの初期卵成長の分子機構解析を目的として、アムールチョウザメ脳下垂体のFSHおよびLHのcDNAクローニングを行なった。得られた配列をもとに、大腸菌発現系により組換えタンパク質を作製後、家兎に免疫してそれぞれの特異抗体を作製した。本抗体は、アムールチョウザメだけではなく、ベステルチョウザメのFSHおよびLH産生細胞も特異的に検出できることが明らかになった。
さらに、本年度はカルーガとアムールチョウザメの天然交雑種カラムの人為繁殖に国内で初めて成功し、孵化後6ヵ月まで、脳下垂体および生殖腺形成過程を観察した。その結果、脳下垂体の成長ホルモン(GH)発現は孵化前後からすでに認められたが、FSHおよびLH発現は孵化後6ヵ月まで検出されなかった。生殖腺に関しては、孵化後6ヵ月には、生殖腺上皮に陥入がみられるタイプと、陥入がないタイプの2型の生殖腺が観察された。この上皮の陥入は卵巣分化の開始を意味することから、孵化後6ヵ月前後が生殖腺の形態的性分化開始期であると考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] アムールチョウザメの生殖腺形成過程における生殖細胞の特定2009

    • 著者名/発表者名
      白瀧将人・佐野裕章・鈴木初美・山下勝正・井尻成保・足立伸次
    • 学会等名
      日本水産学会北海道支部会
    • 発表場所
      函館
    • 年月日
      2009-11-28
  • [学会発表] 雌化ニホンウナギのエストラジオール17β投与による初期卵成長促進効果2009

    • 著者名/発表者名
      佐野裕章・安部智貴・登坂亮太・井尻成保・足立伸次
    • 学会等名
      日本水産増殖学会
    • 発表場所
      下関
    • 年月日
      2009-10-31
  • [学会発表] アムールチョウザメ(Acipenser schrenckii)のdmrt1およびfox12遺伝子のクローニングと発現解析2009

    • 著者名/発表者名
      鈴木初美・山田憲・井尻成保・足立伸次
    • 学会等名
      日本産学会秋季大会
    • 発表場所
      盛岡
    • 年月日
      2009-10-02
  • [学会発表] 北海道沿岸で捕獲された天然チョウザメ交雑種の人為繁殖2009

    • 著者名/発表者名
      山下勝正・安部智貴・申東煥・鈴木初美・佐野裕章・白瀧将人・市村政樹・山羽悦郎・木村志津雄・井尻成保・足立伸次
    • 学会等名
      日本水産学会秋季大会
    • 発表場所
      盛岡
    • 年月日
      2009-10-02

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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