研究課題/領域番号 |
19380108
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鈴木 徹 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (70344330)
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研究分担者 |
橋本 寿史 名古屋大学, 生物機能開発研究センター, 助教 (30359757)
有瀧 真人 独立行政法人水産総合研究センター, 宮古栽培漁業部, 場長 (00426298)
宇治 督 独立行政法人水産総合研究センター, 養殖研究所, 研究員 (40372049)
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キーワード | 異体類 / 左右非対称性 / 発生 / 変態 / ノダル経路 / ヒラメ |
研究概要 |
ヒラメ・カレイは、左右対称に誕生した後、変態期にヒラメは右眼、カレイは左眼を体の反対側に移動させ、次に有眼側に成体型色素胞を形成することにより、左右対称な体から左右非対称に変形する。本課題は、片側眼球の移動と有眼側での色素形成を誘導する分子機序を解明することを目的とする。脊椎動物に共通な内臓と間脳上部(松果体・副松果体、左右一対の手綱核)の左右非対称性は、胚期に腸管原基と間脳上部の左側に発現する左右決定遺伝子pitx2により制御されることが分かっている。ヒラメ・カレイでは、眼球移動の直前に左手綱核内側でpitx2が再発現することを発見した。ウアバイン(Na^+,K^+-ATPase阻害剤)でpitx2発現を抑制したヒラメ胚を変態期まで飼育すると、手綱核でのpitx2の再発現が起こらず、眼位逆位や両眼球が移動する左右性異常が発生した。またpitx2の再発現後、手綱核自体、さらに終脳や視蓋が左右非対称性を形成し、その後に眼球移動が始まること、眼位逆位個体では、脳の非対称性は正常に対して逆転していることが分かった。これらの結果から、左手綱核で発現するpitx2が、脳の非対称性形成の左右差を一方向に固定し、この時点で左右どちらの眼球が移動するかが決定されていることが示唆された。色素形成については、変態期に成体型色素胞に分化する前駆細胞が仔魚体内の何処に分布しているかを解析した。GCH1遺伝子(黄色素胞、黒色素胞の前駆細胞に発現する)をプローブに用いたin situハイブリダイゼーションでは、GCH1陽性細胞は仔魚背鰭膜ヒレ基部に観察された。次に仔魚膜ヒレ基部の細胞を蛍光色素DiIで標識し、変態まで飼育したところ、有眼側からDiIで標識された成体型色素が検出された。これらの結果から、色素前駆細胞は仔魚の背鰭膜ヒレ基部に分布することが示唆された。
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