研究概要 |
ミナミハンドウイルカの適切な保護管理システムの構築に必要な基礎的情報を得るため,分布や移動パターンの把握,個体群の現状把握を行うと同時に音声分析による個体群構造や地域個体群間の関係解析,人間の干渉を受けやすい沿岸域での行動解析を試みる.具体的には以下のとおり. (1)本種の存在が強く疑われている海域につき,現地での実際の観察,漂着死体からの組織等を用いたDNA解析によって種同定を行い,分布の有無を確認する. (2)奄美大島周辺の分布とその季節変化,群れ構成を明らかにする. (3)個体識別が進んでいない海域での個体識別調査を開始し,すでに進んでいる海域との照合作業を行い,海域間移動の有無を明らかにする. (4)鳴音データを収集し,その海域間比較を行う. (5)皮膚などの組織試料をもとに遺伝子解析を行い,地域個体群間の類縁関係を明らかにする. (6)飼育個体の行動観察を行うと同時に水中観察が可能な御蔵島個体群についても行動の日周変化を明らかにする. (7)データロガーを装着し,潜水行動パターンを調べる.
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