研究課題
(1) 体色および食欲調節ホルモン遺伝子の発現動態と特定波長光の関連解析:(1) 赤、緑青の発光ダイオード光照射下でキンギョを3週間飼育し、脳内メラニン凝集ホルモン(MCH)遺伝子発現量を定量ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法で調べた。その結果、同遺伝子の発現は青、緑、赤色光照射の順に高いことが判明し、これまでと同様の再現性を得た。(2) 赤、緑、青の発光ダイオード光照射下でマツカワを9週間飼育し、脳内MCH遺伝子発現量をPCR法で調べた。その結果、同遺伝子の発現量に有意差は認められなかったが、緑、青、赤色光照射の順に高いことが判明した。ただし、緑色光照射魚の値は、対照とした白色光照射魚での値よりも有意に高かった。以上のように、キンギョとマツカワにおいて、特定波長光が脳内MCH遺伝子の発現に影響を及ぼすことを示した。(2) 体色および食欲調節ホルモン受容体遺伝子の同定:(1) マツカワの皮膚では、黒色素胞刺激ホルモン(MSH)遺伝子が色素胞以外の皮膚細胞で発現することを見出した。これにより、MSHが傍分泌的に作用することを示した。(2) マツカワの皮膚においてα-MSHは黄色素および黒色素の拡散を刺激する。アミノ末端のアセチル化は黄色素刺激活性を増強するが、黒色素刺激活性を無効にする。(3) 黄色素胞ではMSH1型受容体が発現し、黒色素胞では同1型受容体と5型受容体が発現する。これにより、異なる受容体サブタイプの共発現が、アセチル基の有無によるα-MSHの活性調節に関与する可能性を示した。(3) 体色および食欲調節ホルモンの末梢での作用と特定波長光の関連:キンギョにおいて、MCH受容体が脳下垂体、脳、眼、鰓、心臓、肝臓、腸、腎臓、皮膚、筋肉、脂肪組織などで発現することを見出した。これにより、MCHが体色調節と食欲調節以外にも、様々な生命現象に関わる可能性を示した。
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