研究課題/領域番号 |
19380127
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加賀爪 優 京都大学, 農学研究科, 教授 (20101248)
|
研究分担者 |
鬼木 俊次 京都大学, 国際農林水産業研究センター・国際開発領域, 主任研究員 (60289345)
衣笠 智子 神戸大学, 経済学研究科, 准教授 (70324902)
仙田 徹志 香川大学, 農学部, 准教授 (00325325)
筑井 麻紀子 東京国際大学, 商学部, 准教授 (40275798)
吉田 昌之 京都大学, 農学研究科, 教授 (20003147)
|
キーワード | 自由貿易協定 / 環境直接支払い / 経済連携協定 / パネルデータ / 豪日FTA / WTO / ドーハ・ラウンド / 農業構造再編 |
研究概要 |
平成19年度は(1)農家調査分析と(2)資源環境分析を中心に調査・研究を進めた。まず、各分担者の従来の関連業績(特に、加賀爪「停滞するWTOと錯綜するFTAの下での農産物貿易問題」『農業と経済』69巻11号)についての研究報告会を実施し、併せて、文献・情報の収集と事前の理論的・定性的分析に集中した。既存の研究成果および参考文献からの統計情報を収集・整理し、それを統計加工することにより、現地調査に必要な事前情報を検討した。分担研究者が全国に分散している為、この準備作業の過程に最初の3ヶ月を当てた。 特に、自由貿易協定に関しては、時々刻々、締結数が増加しており、現在200組以上のFTAあるいは経済連携協定EPAが締結されている。我が国にとって、最も差し迫った状況は、一昨年の後半に日豪FTAが交渉段階に入ったことである。この協定は、日本が締結してきたこれまでのFTAと違って、その日本農業への影響が極めて深刻になることが危惧されている。というのは、日豪間の農産物貿易のかなりの部分が、牛肉、酪農品、小麦、砂糖、米などの日本にとってのセンシティブ品目だからである。この状況は、既に研究代表者の論文(加賀爪「日豪FTAにおけるオーストラリアのメリットと農業の輸出余力」『農業と経済』73巻8号)で記述されているが、これをべースに、さらに詳細な分析・検討を行った。また、現在、停滞しているWTOのドーハ・ラウンドの最近の動きとFTAとの整合性についても、主要国の状況を実証的に分析した(加賀爪「経済グローバリゼーションと農業」『農業経済研究』第79巻第2号)。この過程に別の3ヶ月を当てた。 これとは別に、自由貿易協定進展下の地域農業への影響に関して分析し、農家調査手法と調査項目について検討した。数量分析用のデータと定性的分析に使える情報の双方についてアンケート調査を実施した。数量的分析においては、農家からの聞き取りで得られたクロスセクションデータを統計的に整理し、これをプールしたパネルデータとして分析できるように設計した。この準備段階と予備的農村調査に残りの半年を当てた。
|