研究概要 |
本研究では,窒素・リンを対象に,都市化・混住化が進むアジアモンスーン地域の農業流域における流域水環境統合管理モデルの開発を目指す.全体モデル構築にはGIS技術を利用し,また,定量化が容易でない排出負荷や閉鎖性水域の水質動態のサブモデルには,適宜,人工知能技術や時間-周波数解析手法を導入し予測精度を向上させる.流域水環境統合管理モデルの構築に当たっては,都市化・混住化が進行する農業流域で九州地方最大の流域面積を持つ筑後川流域を精査流域と位置付け,個々の素過程の定量化やサブモデルの検討,全体モデルへのネットワーク結合方法の詳細を検討する.一方,福岡市西方に位置し,混住化が進行している農業流域である瑞梅寺川流域と,ベトナム・ハノイ市近郊のコミューン流域を検証流域と位置付け,筑後川流域モデルを適用検証するとともに,流域特性や気候特性の違いをモデルに反映させ,開発モデルの汎用性を高める.
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