研究概要 |
サドル安定化制御の制御原理を構築し、数値実験により安定的に制御可能であることを明らかにした。特に、ノイズ印加時における制御可能性も示した。最初の制御入力は時刻t=2にでu(2)=-456である。これに引き続いて微小な制御入力を印加した所、最初の一撃によって安定多様体上に移行した。すなわち,X(2)の状態に摘果量(制御入力)としてu(2)を与えることにより,翌年の状態X(3)を,無制御では991となるべきところを535へと減少できた。この制御過程を相図で確認し制御入力u(2)=-456により,状態X(2)が安定多様体の近傍に移動してX(3)の状態をとり,その後の小さな制御入力により,不動点(サドル)X_<fix>=(410,410)に誘導されていく様子が明確に示された。t=10で制御を解除した後,不動点X_<fix>=(410,410)からの僅かな偏差が次第に拡大し,リミットサイクルの2周期点X_<p,1>=(811,189)およびX_<p,2>=(189,811)に漸近収束した。 一報、ダイナミクスのオブザーバ計測も実施し、B-MATRIX,NBTVIなどの測定指標の有効性を明らかにした。これまで開発してきアンサンブル再構成による非線形ダイナミクスとともに、現場利用が容易である、線形大域的ダイナミクスの推定を実施した。その結果、精度はおとるものの、予測は可能であり、実用上は有効な手法であることを確認した。 試験果樹園において制御実験に用いる個体を10個体程度選定した。ハイパースペクトルカメラにより生育状況モニタリング技術の開発を行った。ウエブベース栽培支援システムの仕様の概要をまとめた。国際ワークショップ「カオス・複雑系の生態情報学-生態系モデリングのための分光イメージング」を2007年9月18日に開催した。
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