研究課題/領域番号 |
19380156
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石川 明 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (20211724)
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研究分担者 |
並河 鷹夫 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 特任教授 (70111838)
海老原 史樹文 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (50135331)
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キーワード | マウス / 成長 / 肥満 / QTL / 量的形質 / 候補遺伝子 / コンジェニック系統 |
研究概要 |
申請者は、今までに、野生マウスの遺伝資源から生後の体重成長と肥満に関与する新奇量的形質遺伝子座(QTL)を第2染色体上に位置づけ、このQTLをC57BL/6J(B6)近交系マウスに導入したコンジェニック系統B6.Cg-Pbwg1を樹立し、野生マウス由来の対立遺伝子が1-3週齢増体量を増加させ、白色脂肪組織重量を減少させることを明らかにした。本研究の目的は、コンジェニック領域をいくつかに断片化したサブコンジェニック系統を樹立して表現型の評価を行い、染色体の位置情報に基づく候補遺伝子の探索と発現解析等を実施し、このQTLの最有力な候補遺伝子の同定を試みることである。本年度は以下のことを行った。 (1)サブコンジェニック系統の表現型評価 昨年度までに、成長・肥満に関わるQTLが存在すると考えられる野生マウス由来染色体領域を導入した5種類のサブコンジェニック系統において、体重、臓器重量等の成長関連形質を雌雄それぞれ19-45個体計測し、B6のそれらと比較した結果、ある一つのサブコンジェニック系統の体重および白色脂肪重量が顕著に軽いことが明らかとなっている。そこで、このことが事実であるか否かを確認するために、そのサブコンジェニック系統とB6を交配し、F1並びにF2世代を作出した。得られたF2分離個体群においてマイクロサテライトマーカーの遺伝子型を決定し、長関連形質を解析した結果、野生マウス由来のQTL対立遺伝子をヘテロまたはホモ型にもつ個体はB6対立遺伝子をホモ型にもつ個体より有意に白色組織重量が軽いことが明らかとなった。 (2)候補遺伝子の解析 着目したコンジェニック領域内に存在する全ての機能遺伝子29個についてリアルタイムPCR解析を行った。その結果、明確な遺伝子発現量の差異を示した候補遺伝子を4個発見することができた。
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