豚コレラウイルスの病原性に関与する自然免疫回避機構の解明

2009 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19380170
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 応用獣医学
• 研究機関: 北海道大学
• 研究代表者: 迫田 義博 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 准教授 (40333637)
• 研究分担者: 青木 博史 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (10440067)
• 研究期間 (年度): 2007 – 2009
• キーワード: 豚コレラウイルス / 病原性 / 自然免疫 / ペスチウイルス / 宿主

研究概要

豚コレラウイルスの病原性発揮に関与すると考えられている自然免疫回避機構を分子レベルで解明することを目的とし、ウイルス非構造蛋白N^<pro>の点変異体や欠損体を作製し、1型IFNの産生抑制に必須なアミノ酸領域を決定した。このアミノ酸の変異は、(1)C112R、(2)D136N、(3)H5Y、L8F、P17Sのいずれかであることがわかった。また、この自然免疫の調節に関与するN^<pro>上のアミノ酸の変異は、豚における病原性発揮の要因の1つであることを明らかにした。

研究成果

• [雑誌論文] Classical swine fever virus can remain virulent after specific elimination of the interferon regulatory factor 3-degrading function of Npro (2009)
  • 著者名/発表者名: Ruggli, N., Summerfield, A., Fiebach, A.R., Guzylack-Piriou, L., Bauhofer, O., Lamm, C.G., Waltersperger, S., Matsuno, K., Liu, L., Gerber, M., Choi, K.H., Hofmann, M.A., Sakoda, Y., Tratschin, J. D
  • 雑誌名: J. Virol 83 ページ: 817-829
  • 査読あり
• [雑誌論文] Cleavage of the NS2-3 protein in the cells of cattle persistently infected with non-cytopathogenic bovine viral diarrhea virus (2008)
  • 著者名/発表者名: Kameyama, K., Sakoda, Y., Matsuno, K., Ito, A., Tajima, M., Nakamura, S., Kida, H
  • 雑誌名: Microbiol. Immunol 52 ページ: 277-282
  • 査読あり
• [雑誌論文] Classical swine fever virus Npro interacts with interferon regulatory factor 3 and induces its proteasomal degradation (2007)
  • 著者名/発表者名: Bauhofer, O., Summerfield, A., Sakoda, Y., Tratschin, J.D., Hofmann, M.A., Ruggli, N
  • 雑誌名: J. Virol 81 ページ: 3087-3096
  • 査読あり
• [学会発表] 豚コレラ弱毒生ワクチン株の豚扁桃継代による病原性の復帰 (2010)
  • 著者名/発表者名: 吉野史、迫田義博、杉田征彦、野村拓志、山本直樹、岡松正敏、喜田宏
  • 学会等名: 第149回日本獣医学会
  • 発表場所: 日本獣医生命科学大学、東京
  • 年月日: 2010-03-26
• [学会発表] 細胞病原性牛ウイルス性下痢ウイルスNose株に含まれる費細胞病原性準種の遺伝子構造解析 (2010)
  • 著者名/発表者名: 青木博史
  • 学会等名: 第149回日本獣医学会
  • 発表場所: 日本獣医生命科学大学、東京
  • 年月日: 2010-03-26
• [学会発表] 豚コレラウイルスの病原性の分子基盤-弱毒生ワクチン株の豚継代による病原性の部分復帰- (2009)
  • 著者名/発表者名: 迫田義博、岡松正敏、野村拓志、杉田征彦、吉野史、喜田宏
  • 学会等名: 第57回日本ウイルス学会学術集会
  • 発表場所: 都市センターホテル、東京
  • 年月日: 20091025-20091026
• [学会発表] Induction of apoptosis in porcine kidney cells by type I interferon induced by infection with classical swine fever virus (2008)
  • 著者名/発表者名: Sakoda Y, Ito A, Kameyama K, Nomura T, Ruggli N, Tratschin J. -D, Kida H
  • 学会等名: The 7th ESVV Pestivirus Symposium
  • 発表場所: Uppsala, Sweden
  • 年月日: 20080916-20080919
• [学会発表] Expression kinetics of Interferon Promoter Stimulator-1(IPS-1) inducing natural immunity in the cells infected with Classical Swine Fever Virus (2008)
  • 著者名/発表者名: Nomura T, Sakoda Y, Matsuno K, Kida H
  • 学会等名: 7th ESVV Pestivirus Symposium
  • 発表場所: Uppsala, Sweden
  • 年月日: 20080916-20080919
• [学会発表] 豚コレラウイルスのCPK-NS細胞に対する病原性の解析 (2007)
  • 著者名/発表者名: 伊藤麻子、迫田義博、Nicolas Ruggli、喜田宏
  • 学会等名: 第55回日本ウイルス学会学術集会
  • 発表場所: 札幌コンベンションセンター、札幌
  • 年月日: 20071021-20071023
• [学会発表] 牛ウイルス性下痢ウイルスの生物現象の差によるゲノム塩基配列の相違 (2007)
  • 著者名/発表者名: 小佐々隆志、青木博史、野田紗知子、関口秀人、福所秋雄、中村成幸
  • 学会等名: 第55回日本ウイルス学会学術集会
  • 発表場所: 札幌コンベンションセンター、札幌
  • 年月日: 20071021-20071023
• [学会発表] 豚コレラウイルスのCPK-NS細胞に対する病原性の解析 (2007)
  • 著者名/発表者名: 伊藤麻子、迫田義博、Nicolas Ruggli、喜田宏
  • 学会等名: 第144回日本獣医学会学術集会
  • 発表場所: 酪農学園大学、江別
  • 年月日: 20070902-20090904