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2007 年度 実績報告書

経神経伝播人畜共通感染症の新しい予防・治療法の確立と伝播メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19380171
研究機関北海道大学

研究代表者

梅村 孝司  北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (00151936)

研究分担者 朴 天鎬  北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (50383550)
喜田 宏  北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10109506)
キーワード狂犬病 / 経神経伝播 / 鞘内免疫 / ワクチン / 人畜共通感染症
研究概要

1.鞘内免疫による狂犬病の治療
(1)狂犬病ウイルスをマウス、ラット、ハムスターの後肢筋に接種し、麻痺などの神経症状を呈した段階で狂犬病ワクチンた脳内に投与し、治療効果を見たが、全ての動物は発症後1週間以内に死亡し、ワクチン効果を確認することができなかった。
(2)そこで、鞘内免疫によって脳脊髄液に誘導された特異抗体は脳内に侵入したウイルスを排除できるか否かを確認するため、12匹のマウスを市販の狂犬病ワクチンで鞘内免疫した後、脳内に狂犬病ウイルスを直接接種した。その結果、12匹中11匹が生残した。ワクチンの代わりに生理食塩水を投与した8匹のマウスは1週間以内に全例死亡した。ワクチンで鞘内免疫したマウスの脳脊髄液には狂犬病ウイルスに対する特異抗体が誘導されており、狂犬病ウイルスは接種5日後までに脳から排除されることをウエスタンブロット法と脳組織標本の免疫染色で確認した。
(3)以上の結果から、鞘内免疫によって脳に侵入した狂犬病ウイルスを排除できることを確認した。鞘内免疫によって脳脊髄液中に充分量の特異抗体が誘導されるまでに10日間をすることから、狂犬病発症動物を10日以上生存させることができれば、狂犬病の治療は可能であることが分かった。
2.狂犬病ウイルスの経神経伝播機構の解明
新生マウスの脊髄背根神経節初代培養細胞に狂犬病ウイルスを接種し、神経細胞、非神経細胞への感染性、増殖速度および細胞骨格阻害剤の増殖に及ぼす影響を検討し、その他の経神経伝播ウイルス(オーエスキーウイルス、インフルエンザウイルス、血球凝集性脳脊髄炎ウイルス)と比較した。その結果,狂犬病ウイルスは(1)神経細胞と非神経細胞の両者に感染すること、(2)その他の経神経伝播ウイルスに比べて増殖速度が極めて遅いこと、(3)ウイルス蛋白の合成過程において細胞骨格破壊の影饗を受け無いことが分かった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Comparison of antibody titers in rabbits following immunization with in activated influenza virus via subarachnoidal or subcutaneous route2007

    • 著者名/発表者名
      Shin JH
    • 雑誌名

      Journal of Veterinary Medical Science 69

      ページ: 1167-1169

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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