研究課題
1.皮下免疫では脳脊髄液に抗体を誘導できないが、脳脊髄液にウイルス抗原を接種(鞘内免疫)することによって抗体を誘導できること、鞘内免疫マウスは狂犬病および仮性狂犬病ウイルスの筋肉内接種に無症状で耐過することを明らかにした。2.鞘内免疫マウスは狂犬病ウイルスの脳内接種にも高率に耐過したことから、狂犬病治療へ応用可能であることを示した。3.固定毒狂犬病ウイルスを接種されたマウスの脳では神経細胞のアポトーシスが起こるが、脊髄と背根神経節神経細胞ではアポトーシスが起こり難いことを示した。4.鞘内免疫した動物の脳脊髄液中に誘導された抗体は脳内で産生されることを証明した。5.ウイルスの経神経伝播メカニズムについては、狂犬病ウイルスが神経軸索内の早い軸索流によって軸索末端から神経細胞体に運ばれる(軸索内輸送)ことが知られているが、全容は未だ不明である。狂犬病ウイルス、オーエスキーウイルスおよび豚血球凝集性脳脊髄炎ウイルスの経神経伝播メカニズムを検討し、これらのウイルスでは末梢神経のウイルス感受性細胞および軸索内輸送メカニズムに違いがあることを示した。6.ヒト由来のH3N2亜型インフルエンザウイルスを経鼻接種したマウスに大腸菌LPSを接種することにより、インフルエンザ脳症に類似した脳症をマウスで再現することができた。この脳症の発生メカニズムもヒトの小児インフルエンザ脳症に酷似していることを示した。7.青森県下北半島で野兎病を発見し、病原体はFrancisella turarensis subsp.holarcticaであると同定し、野ネズミに寄生しているダニが本病原体を高率に保有していることを示した。
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