研究課題/領域番号 |
19380178
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床獣医学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
三角 一浩 鹿児島大学, 農学部, 教授 (10291551)
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研究分担者 |
藤木 誠 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (60305167)
上村 亮三 鹿児島大学, フロンティアサイエンス研究推進センター, 准教授 (30253884)
瀬戸山 健太郎 鹿児島大学, フロンティアサイエンス研究推進センター, 助教 (00372805)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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キーワード | 変形性関節症 / 関節リウマチ / 細胞外マトリックス / 診断マーカー / 軟骨 / 滑膜 |
研究概要 |
[研究1]馬の滑液および血清中COMP測定のためのサンドイッチELISA法の確立_馬の関節軟骨主来のCOMPに対する複数のモノクローナル抗体についてエピトープマッピングを行うとともに、それらを組合せてsandwich ELISAによるCOMP測定系を検討した。mAb2A11を固層化抗体として用い、mAb11F10をビオチン化抗体として用いる直接sandwich法(SE)を確立し、関節症(OA)馬と健常馬より採取した滑液および血清を用いて、COMPを定量し、従来法(inhibiion法、IE)と比較した。SE法ではOA馬の血清COMP値も健常馬群と比較して有意に高い値を示した一方で、IE法では血清COMP濃度に両群間で有意差はなかった。SE法による滑液および血清中のCOMP濃度は、mAb11F10を用いたときのIE法の結果と高い相関を示した。新しく確立したsandwich ELISA法は滑液および血清中のCOMP濃度の測定法として高い信頼性を持ち、特に血清のような非特異的な影響の大きい検体に対してもinhibition ELISA法に比べより高い特異性を示すことが明らかとなった。 [研究2]SKGマウスの免疫介在性関節炎の進行を予測する分子マーカーの検討_6週齢のSKGおよびBALB/cマウスを用いて、ラミナリンで誘導される関節炎の進行に伴うCOMPとマトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)-3の血中濃度の推移を検討した。SKGマウスでは、希釈血漿中のMMP-3は関節炎の臨床スコアの悪化と正の相関を示した。一方、希釈血漿中のCOMP濃度は、臨床症状の進行を反映しなかった。安楽死によって得た血清中のCOMPおよびMMP-3濃度はいずれも、対照群であるBALB/cと比較して有意に高い値を示した。COMPおよびMMP-3の血清レベルはいずれも関節炎マウスで上昇するけれども、同一個体から繰り返し採血して測定値を得るには適さない。一方、MMP-3濃度は希釈血漿を用いた場合においても、SKGマウスにおける関節炎の進行を表わす客観的な分子マーカーであることを明らかにした。
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