広範なバイオマス製品の認証に応用し得る、バイオマス含量測定の基盤技術としての加速器質量分析に繋がる各種前処理技術の開発・整備を行い、バイオマス製品普及に資することを目的に研究した。初年度は以下の4点に着目して手法構築の基盤整備に努めた。 1.陸性バイオマス原料、および製品の基礎特性計測と粉末試料化技術の構築およびバイオマスプラスチック製品の熱分解特性 2.海洋バイオマス原料、および製品の基礎特性計測と均質化、脱水、粉末試料化技術の構築 3.各種バイオマス製品(液体燃料等を含む)の収集、調整技術の構築とバイオマス度算出方法の確立 4.類似手法の国際間調整非バイオマス試料の前処理ルーティン構築に至る各種測定、全バイオマス試料の炭酸ガス発生とグラファイト化操作の安定化とAMS分析に基づくバイオマス度算出法の高精度化 木質を除く糖質を原料とする製品のバイオマス度を非常に高精度で算出できたが、海性バイオマス、特に貝殻、海草については、当初予測を超えたデータばらつきが検出され、深度のみならず潮流の影響を無視できないことが判明し、さらに海底に生息するカニなどについてのデータ収集が直近の課題とされた。このため、初年度計画を一部延長することになった。また、液体製品のバイオ燃料についても、水の混入による精度障害が考えられ、木質同様、20年度での重点検討が必要と考えられた。
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