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2009 年度 実績報告書

分子生物学的手法を用いた植物葉圏細菌相の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19380187
研究機関独立行政法人農業環境技術研究所

研究代表者

對馬 誠也  独立行政法人農業環境技術研究所, 農業環境インベントリーセンター, センター長 (50354080)

研究分担者 土屋 健一  国立大学法人九州大学, 大学院・農学研究院生物資源開発管理学部門植物保護防疫学講座, 教授 (40150510)
キーワード植物 / 表生微生物 / 細菌
研究概要

つくば市と福岡市の2地域において、コシヒカリ(つくば市と福岡市)とヒノヒカリ(福岡市)の2品種の健全イネの葉圏における細菌集団構造の基礎的知見を得る目的で、全細菌数及び培養可能細菌の性状解析を行った。また、本年度は昨年に続きムギでの細菌数の比較も行った。つくば地区では昨年開発した全細菌測定法を用いたイネ、ムギの全細菌数を調べ、培養菌数との比較を行った。
その結果、イネにおいては、福岡、つくば地区の3カ年の試験結果から「培養できる細菌」に比べ、全細菌が有意に多いことが明らかとなった。また、イネ、ムギとも葉鞘洗浄液中の「全細菌数(培養できない細菌を含む)」は「培養可能な細菌」より多かったが、その割合は、イネ(約10倍程度)より著しく高かった(ムギ:100倍以上)。
さらに、本年は、ムギで培養可能菌が全細菌数の100分の1以下になる原因は、低温などの環境ストレスによるVBNC化ではないかと仮説をたて、1)VBNC化を減らすとされている活性酸素阻害剤(ピルビン酸)を入れた培地を用いた分離、2)菌密度に及ぼす気象要因の影響評価を行った。その結果、ピルビン酸の影響は認められなかったが、培養可能細菌数は、サンプリング日までの5日間の平均相対湿度などが大きく影響している可能性が示唆された。
以上から、3カ年の研究で、まず葉鞘洗浄液の全細菌数評価手法を開発するに成功した。次に、それらの技術を基に、イネ、ムギにおける全細菌数と培養可能細菌数の比率が安定していること、しかし、その比率がイネとムギで異なることを明らかにした。さらに、ムギで培養可能細菌数の全細菌数に対する比率がイネに比べ著しく少ない原因として、気象要因が関与していることが示唆された。植物体における全細菌数、培養可能細菌数の評価をした例は世界で初である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 微生物で食の安全・安心をまもる!微生物インベントリーの構築と微生物農薬開発2009

    • 著者名/発表者名
      對馬誠也
    • 雑誌名

      アグロイノベーション2009講演要旨 1

      ページ: S2-2-1, S2-2-6

  • [雑誌論文] 植物棲息微生物の新機能-生物防除、アルカロイド分解、かび毒分解能など-2009

    • 著者名/発表者名
      對馬誠也
    • 雑誌名

      第15回弘前大学遺伝子実験施設シンポジウム講演要旨集 1

      ページ: 5-5

  • [雑誌論文] 土壌微生物相の解明による土壌生物性の解析技術の開発2009

    • 著者名/発表者名
      對馬誠也
    • 雑誌名

      有機農業研究者会議2009資料集 1

      ページ: 37-41

  • [学会発表] イネおよび生育期間における葉面細菌数の推移2009

    • 著者名/発表者名
      丹羽理恵子・吉田重信・古屋成人・土屋健一・對馬誠也
    • 学会等名
      第25回日本微生物生態学会
    • 発表場所
      広島大学
    • 年月日
      20091121-20091123
  • [学会発表] コムギ葉鞘における棲息細菌密度とアシル化ホモセリンラクトン類生産・分解能の解析2009

    • 著者名/発表者名
      植屋由希・吉田満朗・古屋成人・吉田重信・封馬誠也
    • 学会等名
      日本植物病理学会
    • 発表場所
      山形大学(2009年3月)
    • 年月日
      20090800
  • [備考]

    • URL

      http://www.niaes.affrc.go.jp/inventory/microorg/index.html

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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