研究課題/領域番号 |
19390009
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
加茂 直樹 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 教授 (10001976)
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研究分担者 |
菊川 峰志 北海道大学, 創成科学研究機構, 助教 (20281842)
鷲見 正人 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (30281819)
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キーワード | Natronomonas Pharaonis / halorhodopsin / レチナールタンパク / イオンポンプ / 閃光光分解 / フラッシュフォトリシス / Clイオン結合 / 解離定数 |
研究概要 |
Natronomonas pharaonisの細胞膜に存在するハロロドプシン(HpHR)は、光駆動ハロゲンイオンポンプである。すなわち、光エネルギーを使ってハロゲンイオン(生理的にはClイオン)を細胞外から細胞内へ輸送する。本研究は、機能発現に必須のアミノ酸残基を特定し、輸送機構を明らかにしようとするものである。また、膜内および界面活性剤中でも、NpHRは3量体を形成しているので、3量体形成の意義を明らかにする。NpHRの変異体を、大腸菌をホスト細胞として発現させ、フラッシュフォトリシス法で光化学反応を調べ、輸送活性を光照射細胞外液pH変化で測定した。Clが細胞内に輸送されるので、細胞内に負の膜電位が生じる。この電位によって、外液から水素イオンが取り込まれ、細胞外がアルカリ化する。ハロロドプシンは、レチナールが発色団としてタンパク質に結合している。そこで、このレチナール近傍の存在するアミノ酸残基に変異を導入して、光化学反応や51輸送機能の変化を調べた。結果は次の通りであった。R82、輸送の完全阻害 : R123、Clの結合低下、輸送阻害 : T126、Cl結合の低下、輸送阻害 : S130、Cl結合の低下、輸送阻害 : T218、Clの放出をコントロール、D252、Cl輸送には2分子のClの輸送が必要で、このうち、弱いC1結合にこの残基が必要である。E234、3量体形成に重要で、構造の安定性に寄与している。その他の研究として新しいCl輸送活性の測定法を開発しようとしたが、いまだ、完成していない。
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