研究課題/領域番号 |
19390010
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安齋 順一 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40159520)
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研究分担者 |
星 友典 東北大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (50302170)
佐藤 勝彦 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (80400266)
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キーワード | ナノカプセル / グルコース / インスリン / グルコースセンサー / 累積膜 / フエニルボロン酸 |
研究概要 |
ナノカプセル型グルコースセンサーの応答性改良を検討した。従来のセンサーでは、繰り返し使用時に、内包したタンパク質が漏出する欠点があったが、この問題を解決するためにタンパク質-高分子電解質凝集体のカプセルからの漏出挙動を検討した。その結果、凝集体のサイズが大きい場合には、カプセルからの漏出が抑制できることが判明した。この結果はナノカプセル型グルコースセンサーの応答性改良につながる成果である。 グルコースに応答してインスリンを放出するナノカプセルの開発に成功し、基本的な性能の検討を行った。開発したナノカプセルは、フェニルボロン酸修飾ポリマーとポリビニルアルコールから作製されたもので、この両者がボロン酸エステルを介して結合してカプセル皮膜を形成することが明らかになった。一方、グルコースが共存するとエステル交換が起こりポリマー間の結合が解裂しカプセルが分解した。これに伴い、内包したインスリンが放出されることが明らかになった。このようなグルコース応答は弱塩基性で高い応答を示すが、中性では応答が十分ではないことが現状の欠点である。中性条件でグルコースの応答するナノカプセルの開発が次年度の目標である。さらに、高性能材料の探索を実施し、フェニルボロン酸修飾ポリマーとしてデンドリマーが有用であることを見出した。フェニルボロン酸修飾ポリアミドアミンデンドリマーとポリビニルアルコールの累積膜が中性条件でグルコースに良好な応答を示したことから、ナノカプセル材料として有望であることがわかった。
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