研究課題/領域番号 |
19390022
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
土井 健史 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00211409)
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研究分担者 |
岡田 欣晃 大阪大学, 薬学研究科, 助教 (50444500)
仲野 徹 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (00172370)
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キーワード | 血小板 / 転写因子 / 分化 / 巨核球 / ES細胞 |
研究概要 |
我々は血小板の分化を制御する可能性のある転写因子の探索を行ってきた。これまでに同定した11種の候補因子が血小板分化にどのように寄与するかを解析するために、分化途中に転写因子を強制発現するシステムを構築しようと考えた。これまでにPF4プロモーターを利用することで、ES細胞を血小板へと分化させる途中で、血小板系列特異的に転写因子を強制発現させることに成功したが、遺伝子を発現ずる巨核球の割合が少ないという問題点があった。そこで我々は、クロマチン凝集によりトランスジーン発現が抑制されている可能性を考え、トランスジーンの両端にインスレーターを導入し発現量を改善しようと考えた。トランスジーンの両端にbeta-globin遺伝子由来のインスレーター配列を連結し、この配列をES細胞のHprt遺伝子上流に組み込んだ。また、これまでに使用していたPF4プロモーターが原因である可能性も加え、新たにGPIIbプロモーターを用いて同様にインスレーターを導入したES細胞株を樹立した。その結果、インスレーターがトランスジーンの発現効率を改善することが明らかとなった。また、血小板分化に関与する新しい転写因子候補を探索することを目的とし、PF4遺伝子の発現制御領域の解析を行い、新たに2種のETSファミリーに属する転写因子を同定することに成功した。リアルタイムPCRを用いた解析から、これらの転写因子の発現が分化段階に応じて特徴的な変化を示すことが明らかとなり、同ファミリーに属する転写因子でも、各分化段階に特化した役割を担っている可能性が示された。
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