研究課題/領域番号 |
19390030
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
今西 武 大阪大学, 名誉教授 (40028866)
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研究分担者 |
土井 健史 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00211409)
兒玉 哲也 大阪大学, 薬学研究科, 助教 (00432443)
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キーワード | ゲノム創薬 / 人工核酸 / 遺伝子検出 / 遺伝子診断 / DNA |
研究概要 |
人工核酸複合体の基盤材料となる架橋型人工核酸(BNA)として、アセタール架橋構造やN-O架橋構造を有する新規BNAを選択し、D-グルコースを出発原料としたBNAモノマー及びDNA自動合成機への適用が可能なアミダイトブロックを合成した。また、細胞系でのBNA高機能化による影響を詳細に評価するため、すべての核酸塩基に対応するアセタール架橋型BNAの合成法を確立した。BNA複合体化用に昨年度開発した新規ベンズイミダゾール型蛍光化試薬によるオリゴヌクレオチドラベル化法を最適化し、オリゴヌクレオチドの両末端、中央のいずれの位置においても室温30分で90%以上の収率で蛍光化できる手法を開発した。なお本蛍光分子からは、核酸の二重鎖形成によりその蛍光強度をおよそ3倍増強させる性質を見いだしており、これまでに無い核酸検出法開発への発展が期待できる。さらに、DNA切断分子アジノマイシンをリード化合物として新たに創出したDNAアルキル化分子エポキシピペリジン化合物をBNA複合体化するために窒素官能基化した。本分子は、新規ベンズイミダゾール型蛍光化試薬と同じ手法により複合体化が可能である。高機能化BNAの培養細胞中での機能性評価は、複合体化siRNA(siBNA)の遺伝子発現抑制活性を指標に検討した。天然siRNAのRNAi効果を上回るsiBNAを見いだすには至らなかったが、siBNAがsiRNAに比べて血清中で安定であることを明らかにした。これは、投与後長期間にわたるRNAi効果を期待できる結果であり、siRNAの投与回数を減らしても同様の効果を維持できるin vivoでの有用性を示唆している。また、複合体化位置が重要であることを明らかにし、例えばセンス鎖の9(10)番目を機能化したsiBNAはそのRNAi効果が大きく減弱し完全なRISC複合体の形成を妨げる可能性を示した。
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