研究概要 |
本研究では、複数のコラーゲン結合蛋白質を対象として、その機能を阻害する化合物の取得を第一の目標とする。第二に、得られた化合物が実際に効力をもつ薬物シードになり得ることを示す。初年度にあたる本年度は、化合物取得のためのストラテジーの確立と、スクリーニング実施プラットフォームの作成を目的として研究をおこなった。 1.In silico検索アルゴリズムの最適化と検索プログラムの有用性について すでに認識モチーフ中に必要な構造情報を収集している色素上皮由来因子(PEDF)に結合するペプチド配列を取得するための、in silico検索アルゴリズムを構築した。これを用いてコラーゲンのアミノ酸配列の中から、複数のPEDF結合配列を予測した。これらの配列を有するコラーゲン様3重らせんペプチドを実際に化学合成し、in vitroでのPEDF結合性を評価した。その結果、PEDFに特異的に結合する新規なペプチドを発見するに至った。 2.コラーゲン結合蛋白質阻害剤のhigh-throughput-screening系の確立およびスクリーニングの実施 複数のコラーゲン結合タンパク質(Heat-shock prote in 47, von Willebrand factor A3 domain, Collagenase-S3b domain, PEDF, glycoprotein VI)をターゲットとした化合物スクリーニングを384-wellプレートフォーマットで行うことができるシステムを構築した。このシステムをもちいて、比較的少数の合成ペプチドをスクリーニングした結果、Collagenase-S3b domainおよびglycoprotein VIに対して活性を持つペプチドを取得した
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