本研究は、コラーゲン結合タンパク質を分子標的とする萌芽的な創薬研究である。コラーゲン結合タンパク質の中には、臓器の線維化に関わるheat-shock protein47(HSP47)、血液凝固に関わるvon Willebrand因子(VWF)や血小板glycoproteinVI(GPVI)などのようにコラーゲンとの相互作用が病態形成に直結するようなものも多い。 本研究では、ペプチド・タンパク質化学に基礎を置く独自の方法論を利用して、これらタンパク質とコラーゲンとの結合を、アミノ酸残基レベルで詳細に検討することにより、タンパク質-コラーゲン相互作用インターフェイスに関する構造情報を得、創薬リードの創出につなげる。 また、コラーゲン-タンパク質相互作用の阻害剤を探索するために独自に開発したin vitro high-throughput screening系を確立する。それをもちいて複数のコラーゲン結合タンパク質に対する低分子量阻害剤を取得し、創薬リード化合物として提供する。
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