研究課題/領域番号 |
19390033
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
小椋 康光 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (40292677)
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研究分担者 |
鈴木 紀行 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 特任准教授 (10376379)
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キーワード | セレン / セレン糖 / スペシエーション / ICP-MS / 生物循環 / カラシナ / シロイヌナズナ / セレノホモランチオニン |
研究概要 |
セレンは植物にとって非必須であるが、動物にとって必須元素であり、陸域の生物圏では、棲息する生物に毒性を発揮することなく、循環が起こっていると考えこれろ。セレンの化学的特徴として、セレンは類金属であるため、生体内においては共有結合性の化台初を形成し、セレン自体の化学形を変化させて代謝されていく。陸棲の動物においては、セレンはセレン糖という化学形態で排泄される。一方、セレン蓄積性を示す植物ではセレノアミノ酸が生合成されることが知られている。そこでまず、植物におけるセレンの代謝過程を検討した。次に植物→動物のセレンの移行はセレノアミノ酸という双方に有益な化学形で行われていると理解できるが、動物→植物の移行形態であるセレノ糖は双方に有益な、つまり動物だけでなく植物にとっても有益な化学形であるといえるのか明らかではない。そこで動物の排泄形であるセレノ糖が植物に対してどのような影響を与えるのか明らかにすろことを目的とし、検討を行った。さらにセレンの代謝過程を明瞭にするため、同属のテルルの代謝との比較を行った。 セレンはその代謝過程で同属の硫黄と厳密に区別されているが、セレノアミノ酸の一種であるセレノメチオニンがひとたび生合成されると、メチオニンは区別されずに代謝される可能性を示した。セレンを蓄積する植物であっても、テルルについては、セレンと厳密に区別しており、テルルの蓄積性は低いことを示した。一方で、テルルを蓄積する植物を見出し、権利化に結び付けた。海棲の動物では、陸棲の動物とは異なるセレン代謝を行っている可能性を見出し、現在海域におけるセレンの循環についても検討を開始した。
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