研究課題
本研究では、妊娠期にナノサイズの粒子を含むディーゼル排ガス(DE)やナノマテリアルの曝露を受けたときの出生仔の脳の微細障害と脳神経機能の変化の有無を詳細に調べ、現在、急増しつつある子供の神経疾患発症との関連を明らかにすることを目的としている。今年度は、DE中の微粒子(DEP)が胎仔に移行したことにより中枢神経系に障害が生じた可能性が考えられることから、DEPを母体に投与したときの出生仔への影響を観察した。妊娠期にDEPを総量500μg投与した母獣からの雄性出生仔についての行動試験では、water maze testにおいてプラットフォームに到達するまでの時間に有意な延長が認められた。しかしながら、passive avoidance testにおいては、両群において有意な差は認められなかった。この結果より、胎仔期DEP曝露が空間依存的な学習・記憶に影響を及ぼす可能性が示唆された。空間学習・記憶は海馬が重要な役割を果たしており、water maze testの結果から、海馬機能が低下していると考えられる。学習・記憶と深く関係するグルタミン酸神経系とアセチルコリン神経系に着目し、より詳細な解析を行った。胎仔期DEP曝露は海馬のグルタミン酸受容体の発現低下を引き起こすことが示唆された。
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