ナノ粒子胎仔期曝露による微細脳障害の誘発とそれに伴う脳神経疾患発症に関する研究

2008 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19390036
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 環境系薬学
• 研究機関: 東京理科大学
• 研究代表者: 武田 健 東京理科大学, 薬学部, 教授 (80054013)
• 連携研究者: 菅又 昌雄 栃木臨床病理研究所, 所長 ; 井原 智美 栃木臨床病理研究所, 部長
• 研究期間 (年度): 2007 – 2008
• キーワード: 環境衛生学 / 環境化学 / ナノ粒子 / ナノマテリアル / ディーゼル排ガス / 胎児期 / 脳神経系 / 次世代

研究概要

ディーゼル排ガス中の超微小粒子が母体を介して血液関門未発達の仔の脳に移行し、生後も脳血管周囲顆粒細胞の細胞内顆粒に蓄積し、核の断片化を引き起こすこと、血管内皮やアストロサイトなど周辺の細胞に影響を及ぼすことを明らかにした。脳内モノアミン濃度の変動、協調運動性の低下、記憶学習能力の低下などが認められた。さらに、化粧品基材の酸化チタンナノ粒子が、同様な動態と作用を持つことを明らかにした。

研究成果

• [雑誌論文] sugamata. M. (2009) Nanoparticles transferred from pregnant mice to their offspring can damage the genital and cranial nerve systems. (2009)
  • 著者名/発表者名: Takeda, K., Suzuki, K., Ishihara, A., Kubo-Irie, M., Fujimoto, R., Tabata, M., Oshio, S., Nihei, Y., Ihara, T.
  • 雑誌名: J.Health Sci. 55(1) ページ: 95-102
  • 査読あり
• [雑誌論文] Early Development Origins of Adult Disease Caused by Malnutrition and Environmental Chemical Substances. (2009)
  • 著者名/発表者名: Xu G, Umezawa M., Takeda K.
  • 雑誌名: J.Health Sci. 55(1) ページ: 11-19
  • 査読あり
• [雑誌論文] Effect of prenatal exposure to diesel exhaust on dopaminergic system in mice (2009)
  • 著者名/発表者名: Yokota, S., Mizuo, K., Moriya, N., Oshio, S., Sugawara, I., Takeda, K.
  • 雑誌名: Neurosci Let. 449 ページ: 38-41
  • 査読あり
• [雑誌論文] The effects of nanoparticles on mouse testis Leydig cells in vitro. (2008)
  • 著者名/発表者名: Komatsu, T., Tabata, M., Kubo-Irie, M., Shimizu, T., Suzuki, K., Nihei, Y., Takeda,K.
  • 雑誌名: Toxicol. In Vitro 22 ページ: 1825-1831
  • 査読あり
• [雑誌論文] The effects of in uter exposure to a migrant, 4,4'-butylidenebis (6-t-butyl-m-cresol), from nitrile-butadiene rubber gloves on monoamine neurotransmitter in rats (2008)
  • 著者名/発表者名: Satou, K., Nonaka, Y., Ohashi, N., Shimizu, M., Oshio, S., Takeda, K.
  • 雑誌名: Biol.Pharm.Bull. 31(12) ページ: 2211-5
  • 査読あり
• [雑誌論文] Interaction between Diesel Exhaust Particles and Cellular Oxidative Stress (2008)
  • 著者名/発表者名: K. Suzuki, T. Komatsu, M. Kubo-Irie, M. Tabata, K. Takeda, Y. Nihei
  • 雑誌名: Applied Surface Science 255 ページ: 1139-1142
  • 査読あり
• [雑誌論文] Characterization of Environmental Nanoparticles (2008)
  • 著者名/発表者名: N. Fukuhara, K. Suzuki, K. Takeda, Y. Nihei
  • 雑誌名: Applied Surface Science 255 ページ: 1538-1540
  • 査読あり
• [学会発表] 酸化チタンナノ粒子胎仔期曝露が脳内モノアミン系に及ぼす影響 (2009)
  • 著者名/発表者名: 高橋雄大, 水尾圭祐, 岡田悠佳, 篠塚崇徳, 武田健
  • 学会等名: 日本薬学会第129年会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 20090300
• [学会発表] 行動評価試験に基づくディーゼル排気微粒子胎仔期曝露の脳神経系への影響解析 (2009)
  • 著者名/発表者名: 横田理, 佐藤央, 森家望, 水尾圭祐, 菅原勇, 武田健
  • 学会等名: 日本薬学会第129年会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 20090300
• [学会発表] MATERNAL EXPOSURE TO TITANIUM DIOXIDE NANO-PARTICLES DAMAGES NEWBORN MURINE BRAINS (2008)
  • 著者名/発表者名: M. Suagmata, T. Ihara, K. Takeda
  • 学会等名: 21th European Congress of Perinatal Medicine. Istanbul, Turkey
  • 年月日: 20081210-20081213
• [学会発表] ディーゼル排ガス胎仔期曝露が中枢神経に及ぼす影響 (2008)
  • 著者名/発表者名: 横田理, 岩田麻里, 森家望, 水尾圭祐, 押尾茂, 菅原勇, 井原智美, 菅又昌雄, 武田健
  • 学会等名: 第52回日本薬学会関東支部大会
  • 発表場所: 千葉
  • 年月日: 20081000
• [学会発表] 胎仔期ディーゼル排ガス曝露が dopamine 神経系に及ぼす影響 (2008)
  • 著者名/発表者名: 横田理, 岩田麻里, 森家望, 水尾圭祐, 押尾茂, 菅原勇, 武田健
  • 学会等名: フォーラム2007衛生薬学・環境トキシコロジー
  • 発表場所: 熊本
  • 年月日: 20081000
• [学会発表] ナノ粒子の健康科学-意図的・非意図的に生産されるナノ粒子の健康への影響 (2008)
  • 著者名/発表者名: 武田健
  • 学会等名: ナノテクノロジーの医療への挑戦異分野融合ナノテクノロジー横浜コロキウム
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20080200
• [学会発表] ナノ粒子の細胞への取り組みとその影響フォーラム2007 (2007)
  • 著者名/発表者名: 小松朋子, 入江美代子, 田畑真佐子, 鈴木健一郎, 福原渚, 二瓶好正, 武田健
  • 学会等名: 衛生薬学・環境トキシコロジー
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 20071100
• [学会発表] 胎仔期ディーゼル排ガス暴露が運動機能に及ぼす影響フォーラム (2007)
  • 著者名/発表者名: 横田理・森家望・岩田麻里・小田桐隆志・高橋雄大・水尾圭祐・押尾茂・菅原勇・井原智美・菅又美穂・菅又昌雄・武田健
  • 学会等名: 衛生薬学・環境トキシコロジー
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 20071100
• [学会発表] 大気中微粒子の健康影響・ナノ粒子の毒性学 (2007)
  • 著者名/発表者名: 武田健
  • 学会等名: 第12回静岡健康・長寿学術フォーラム2007
  • 発表場所: 静岡
  • 年月日: 20071000
• [学会発表] 大気環境中ナノ微粒子の粒別分析評価法の開発 (2007)
  • 著者名/発表者名: 鈴木健一郎, 仲村聡一郎, 武田健, 二瓶好正
  • 学会等名: 第16回環境化学討論会
  • 発表場所: 北九州
  • 年月日: 20070600
• [学会発表] ディーゼル排ガスの健康影響-特に次世代への影響を中心に (2007)
  • 著者名/発表者名: 武田健
  • 学会等名: 酸性雨調査研究会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20070500
• [学会発表] ナノ粒子の健康科学 (2007)
  • 著者名/発表者名: 武田健
  • 学会等名: 徳島
  • 発表場所: 文理大学徳島
  • 年月日: 20070500
• [学会発表] ディーゼル排ガス胎仔期曝露がマウス脳内モノアミン系に及ぼす影響 (2007)
  • 著者名/発表者名: 岩田麻里, 清水碧, 高橋雄大, 押尾茂, 菅原勇, 武田健
  • 学会等名: 日本薬学会第127年会
  • 発表場所: 富山
  • 年月日: 20070300
• [図書] ファルマシア(未知なる遭遇-ナノマテリアルの健康影響次世代影響を中心に) (2009)
  • 著者名/発表者名: 武田健, 菅又昌雄
  • 総ページ数: 245-250
• [図書] 発明と生活(ナノ粒子の健康科学と産業の関わり) (2007)
• [備考] 科学新聞 2009年2月13日「ナノ粒子は第4の病原物質か?」
• [備考] 読売新聞 2009年2月1日「酸化チタン微粒子妊娠マウスに注射子の脳などに異常も」
• [備考] 日本薬学会第128年会講演ハイライト2008年3月26日環境科学部門「細胞の中にナノ粒子!～ナノ粒子は有害か?～」