研究課題/領域番号 |
19390038
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大槻 純男 東北大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (60323036)
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研究分担者 |
上家 潤一 麻布大学, 獣医学部, 講師 (10400269)
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キーワード | 脳関門 / P-糖タンパク質 / LC-MS / MS / 単分子活性 / トランスポーター / 脳分布 / 血管内皮細胞 / 培養細胞 |
研究概要 |
単分子活性に基づく血液脳関門のMDR1/mdr1a(p-糖タンパク質)の機能を予測、評価するための基礎技術の開発を行った。ヒトMDR1及びマウスmdr1aの絶対発現量をLC-MS/MSによって定量する系の構築を行い、10fmol-5000fmolの定量範囲を持つ定量系を確立した。この定量系を用い、ヒトMDR1及びマウスmdrlaを発現する安定発現株の細胞膜におけるそれぞれの分子の絶対発現量を明らかにした。輸送活性に関しては、まず、反転膜小胞による輸送活性の測定を試みたが、既知のMDR1及びmdr1aの基質の取込は認められなかった。そこで、トランスウェルによる経細胞輸送を輸送速度が異なると予想された6化合物について測定し、各化合物のmdr1aの見かけの輸送の寄与を求めた。さらに、分子当たりの寄与から脳への分布を予測する計算理論を構築した。一方で、マウス血液脳関門に発現するmdr1aの発現量を明らかにするために、まず、磁気ビーズによってマウス脳毛細血管内皮細胞を高純度に単離する手法を構築した。非常に高純度の内皮細胞を単離することができたが、mdr1aの絶対発現量を得るには十分な内皮細胞を得ることができなかった。そこで、ガラスビーズをもちいて単離した脳毛細血管を用いて血液脳関門におけるmdr1aの絶対発現量を明らかにした。
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