カルシウムイオンは生命活動に重要な役割を担っているが、開口放出、身体の左右差決定等の重要な生理機能については不明の点が多く残っている。そこで、チタン・サファイアレーザー(近赤外フェムト秒レーザー)を励起光源として用いて生体組織中で非線型光学過程の一種である多光子励起過程を用いる蛍光顕微鏡法(2光子顕微鏡)を展開させた。その結果、他の顕微鏡法では観察不可能な、インタクトな組織深部の微細構造とカルシウムイオン等の分子の同時観察を可能する方法論を確立し、開口放出、身体の左右差決定等の分子機構について重要な知見を得た。
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