研究課題/領域番号 |
19390057
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
本間 さと 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20142713)
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研究分担者 |
早坂 直人 近畿大学, 医学部, 講師 (80368290)
仲村 朋子 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特任助教 (30451397)
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キーワード | 生理学 / 生体リズム / 生物発光 / 神経科学 / 時計遺伝子 |
研究概要 |
本研究は、時計遺伝子発現リズムを、in vivoで、リアルタイムに連続測定することにより、視交叉上核の主時計による組織時計の統合メカニズムを明らかにすることを目的として行われた。生物発光レポーター導入技術は、数日から数週間の長期間に渡る遺伝子発現の連続リアルタイム測定を可能とし、生物時計機構の研究を大いに進展させた。しかし、哺乳類においては、発光測定は未だに培養組織におけるリズム測定に限られており、個体内での機能解析には、機器開発を含め多くの障害が存在する。そこで、時計遺伝子Per1プロモータ支配下に発光蛋白ルシフェラーゼを発現するPer1-lucトランスジェニックマウスの視交叉上核から、無麻酔・無拘束で長期に渡り時計遺伝子発現パターンを光ファイバーにより計測するシステムの開発を行った。19年度には、微量発光計測機器と測定技術を完成させ、基礎データを測定する予定であったが、ファイバー測光機器の性能が当初目標を下回り改良に時間を要した。このため、生理的レベルの基礎データ収集を20年度に繰越して行った。その結果、これまでの培養視交叉上核の発光リズム結果とほぼ一致した位相のリズムを示した、本システムは覚醒個体に加えた刺激に対する遺伝子レベルでの反応を無麻酔・無拘束で観察可能なシステムであることが明らかとなった。そこで、20年度には、個体に加えた環境刺激への反応を光ファイバーによる測光により長期に渡り計測した。その結果、30日以上の連続遺伝子発現計測が可能となり、中枢時計内にも、行動リズムと同様の移行期をもつ細胞群を発見した。
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