研究課題/領域番号 |
19390061
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
谷内 一彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50192787)
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研究分担者 |
倉増 敦朗 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (90302091)
櫻井 映子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (90153949)
岡村 信行 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (40361076)
渡邉 建彦 東北大学, 名誉教授 (70028356)
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キーワード | ヒスタミン / ヒスタミンH2受容体 / ヒスタミンH4受容体 / プロテオミクス / Dynamin / internalization / small GTPase Rho / Rac |
研究概要 |
ヒスタミンH2,H4受容体のカルボキシル(C)末端の機能と細胞内情報伝達機能について、プロテオミクスの技術を導入して研究を行った。H2受容体については、C末に結合する蛋白質としてDynamin, Synapsin, Tublinなど12種の蛋白を同定して、さらにDynaminに関してその機能をを詳細に解析した。H2受容体のC末を欠失させるとDynaminとの結合性とinternalizationが消失した。またDynaminのdominant negative formであるK44Eを発現させてもinternalizationが消失し、ヒスタミンH2アゴニスト刺激によるERK1/2の賦活化もK44Eで低下した。このようなK44Eの抑制作用はC末を欠失したH2受容体ではなくなった。このような結果は、アゴニスト刺激によるH2受容体のinternalizationとERK1/2の賦活はDynamin依存性であることがわかった。 さらにH4受容体C末端領域の結合タンパク質の同定をおこない、ヒスタミンH4受容体C末端に結合した蛋白質として、初めて、small GTPase Rhoファミリーに属するRac1およびRac2を同定した。Rac1およびRac2とH4受容体はin vitroで直接結合した。Rac1およびRac2存在下において、H4受容体にリガンドが結合することにより、Racが活性化されることが初めて明らかとなった。H4受容体およびGタンパク質を介して、Racは活性化されると同時に、Gタンパク質を介さない経路で不活性化され、制御されている。H4受容体を介したRac調節は、ヒスタミンに対するケモタキシス調節に関与する可能性があることが明確になった。
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