研究概要 |
1. マウスES細胞およびES-体細胞融合細胞からの染色体除去 a) マウスES細胞からの染色体除去 染色体除去カセットCEC (LoxP-GAG-GFP-IRES-Neo-LoxP)を導入した正常ES細胞のライブラリーから第4、10、19番染色体にCEC導入が確認されたES細胞を選択した。これらのES細胞の組み換え酵素Creの処理により染色体除去を試みた。その結果、GFP陰性細胞がFACSソーティングとその後のクローニングにより株化されたが、CEC染色体は除去され、相同染色体の重複により正常核型に戻っていた。ヒトES細胞でも同様の現象が確認されるか興味深い。 b) マウスES-体細胞融合細胞からの染色体除去 ES-体細胞融合細胞から第4,10,19番染色体除去を行った。その結果、1本の除去では、4n=79(GFP陰性)核型の細胞クローンが得られた。一方、2本除去による4n=78核型のクローンは得られず、相同染色体が重複した4n=79(GFP陰性)のクローンのみが得られた。これらの発見は、染色体上の遺伝子による遺伝子量補償の重要性を示している。ヒトES-体細胞融合細胞での染色体除去が興味深い。 2. ヒトES細胞およびES-体細胞融合細胞からの染色体除去 a) ヒトES細胞にCEC-(LoxP-EF1-Neo-IRES-TK-LoxP)を導入した。 b) 第12番染色体にCECの導入を確認したES細胞株を樹立した c) CEC導入ES細胞からのCre処理により染色体除去を試みている。 d) CEC導入ES細胞と体細胞(TIG)を電気的に細胞融合し、クローニングすることに成功した。 e) ヒトES-TIG(体細胞)融合細胞からの染色体除去を試みている。
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