研究課題
真核細胞のゲノムはクロマチンと呼ばれるDNA高次構造により核内に収納されている。クロマチン構造の最小単位はヌクレオソーム構造で、ヌクレオソームはゲノムにおける様々な生物学的現象に伴い、ダイナミックに変化する。平成19年度は、遺伝子転写や分化の調節機構におけるクロマチン構造の役割の一端を解明した。最近注目されているクロマチン中のヒストン翻訳後修飾としてユビキチン化ヒストンH2Aがある。このヒストンH2Aユビキチン化は31年前ラットの肝切除後に発見された最初のユビキチン化蛋白である。H2Aユビキチン化部位はC末端の119番目のリジン残基で、NHK-1によるリン酸化部位に隣接し、生物種間で保存されている部位である(Genes Dev 18:877-888,2004)。我々はこのヒストンH2Aユビキチン化部位の変化をマウス肝臓切除後の残存肝を用いて調べた。このユビキチン化は肝切除後劇的に変化する。平成19年度はユピキチン化の変化に関与する酵素USP21を同定し、その役割を明らかにした(GenesDev.22:37-49,2008)。
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Genes Dev 22
ページ: 37-49
J Biochem(Tokyo) 141
ページ: 609-614
Exp Cell Res 313
ページ: 2780-2785