研究課題/領域番号 |
19390090
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
足立 健 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50231931)
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研究分担者 |
山本 美智子 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (60445450)
泉 陽太郎 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90245506)
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キーワード | 分子病態学 / メタボリックシンドローム / プロテオミクス / インスリン / 血管内皮細胞 |
研究概要 |
本研究は21世紀成人病医療の最重要課題である、メタボリックシンドロームの最終標的である心血管病変の病因解明、新規治療法開発を最終目標とする。そのため、メタボリックシンドロームの際に代謝経路から放出されるフリーラジカルやガス分子等の反応性低分子に着目して、これらによる蛋白質翻訳後修飾生成機序と、その標的蛋白質を検索して、心血管病進展の病因と新たな治療分子標的の同定を行う。そのために、メタボリックシンドロームの代表的モデルであるZucker Ratの血管内蛋白質翻訳後修飾と代謝変化、遺伝子発現について更に検討を進め、以下のデータを蓄積した。1)Zucker Ratでは、血清中ホモシステインレベルが軽度上昇と共にSAMの低下など低メチル化を引き起こす代謝変化を見出した。現在これを拡大し、葉酸代謝、アルジニン代謝についても検討している。2)プロテオミクス解析によりいくっかの血管内蛋白質メチル化の低下が検出された。4)iNOSの阻害により蛋白質メチル化が回復した事から、iNOSからのNOが蛋白質メチル化低下に働く事が想定された。遺伝子解析では、むしろNOXの関与が示唆され、更なる検討が必要である。5)in vitroの検討ではインスリンシグナルに関連するPten/PP2Aがチオール酸化修飾を受けることが判明した。また、インスリンシグナルに関わるHSP70,HSP90についても翻訳後修飾が示唆された。来年度は更にメチル化修飾・チオール修飾蛋白質翻訳後修飾がインスリンシグナルに及ぼす影響を明らかにしたい。
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